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京都学園大学パワーリフティング部へ出稽古!

皆様明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願い致します。

昨年は私の拙いコラムをお読み頂きありがとうございました、今年も精一杯執筆していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!

今回のコラムでは、昨年の12月21日に参加させて頂きました、ジュニアパワーリフティングの強豪 京都学園大学パワーリフティング部での練習について書かせてもらおうと思います。

【きっかけ】

元々、京都学園大パワーリフティング部の皆さんと知り合うきっかけになったのが、私が2014年6月に出場した世界クラシックパワーリフティング選手権大会(南アフリカ)でした。

この大会ではジュニア部門と一般部門の選手が同じ旅程であった為、ジュニア部門に多数の選手が参加し監督の三浦先生が団長として帯同していた京都学園大パワーリフティング部の皆さんとご一緒する事となり、大学のパワーリフティング部では珍しくノーギアに力を入れているという点や部員の皆さんのレベルの高さを知ってから「普段どういった練習をしているのだろうか」とずっと興味を持っていました。

昨年9月に開催された和歌山国体パワーリフティング公開競技でも、京都学園大パワーリフティング部の部員が中心となった京都代表メンバーは京都府を都道府県対抗四位に導いており、今回私も練習に参加させてもらう事でその強さの一因を探れればと考えています。

【出稽古へ!】

練習場は亀岡市の京都学園大学亀岡キャンパス内にあります。

現在の部員は各学年に3人ずつの12人、それに加えてディスエイブルパワーリフティングの選手や出稽古に来ている高校生選手も練習に参加しているそうです。

この日は前日にベンチプレス大会が有り、そちらに参加した選手が休みだった事もあっていつもより参加人数は少なかったとの事でしたが、7人のメンバーによる熱気のこもった練習が行われていました。

写真1

練習場の設備は各メーカーの競技用ラックが4台とパワーラック1台、競技用バーベルも各種揃っており、パワーリフティング専門ジムでも中々無いような十分な設備が揃っていました。

【どのような練習をしているのか?】

練習は土曜日を除く週6回、1回3時間、1日1種目でスクワット・ベンチプレス・デッドリフトの各種目を週2回ずつというのが基本となっているそうです。

この日の練習は体操から始まって静的ストレッチや三浦監督の考案した動的なストレッチ運動を行い、その後、各種目に分かれてウェイトトレーニング開始となりました。

私は今回スクワットを行う皆さんと一緒に練習をさせて頂きました。

練習内容は、近年パワーリフティングのトレーニング方法として一つの潮流になりつつあると感じる高強度ハイボリュームなもので、この日のスクワット組の練習は、重量を一度MAXまで上げ、その後徐々に軽くしていきながら毎セットしっかり追い込みつつ多くのセットをこなすという非常にハードなものでした。

学生は試合数が多くオンシーズンが始まると連戦で中々地力を伸ばす暇が無い為、試合の無い冬季には特にしっかりと練習をこなし地力を底上げするのだそうです。

パワーリフティングの選手は、試合以外ではMAX重量を持たないタイプと、練習でも積極的に高重量にチャレンジするタイプに分かれますが、京都学園大パワーリフティング部では普段の練習から定期的に高重量にチャレンジする日をつくり、神経系の発達を促しているそうです。

セット重量もいわゆるサイクルトレーニングのように事前に数週間単位で計画立てて増減させるのではなく、その日の調子を見ながら決めており、疲労が溜まっている選手は練習をセーブする日も作るとの事でした。

このような高強度のBIG3を高頻度で行うタイプの練習方法は国内でもパワーリフティング黎明期から因幡選手や前田選手といった名選手を中心に行われていましたが、その後サイクルトレーニングのような低頻度型の練習方法が主流となり一時廃れていました。

しかし近年、ベンチプレッサーやパワーリフターのトップ選手の多くが再び高強度高頻度タイプの練習方法を取り入れる事で結果を出しており、急激に見直されてきています。

京都学園大パワーリフティング部の強さの一因にもやはりこの強度の高い練習があるのではないかと感じました。

 

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誰かが高重量に挑戦する時は、自然と練習場内が静まり真剣な雰囲気となります。

写真上の寺原選手(4年生)は180kg、写真下の古川選手(1年生)は260kgと、それぞれの階級(女子63kg級と男子83kg級)のノーギアスクワット一般日本記録を上回る重量を挙上していました。

写真2

部員の皆さんはハイレップのセットでも辛い表情を見せる事無くテンポよくこなしていきます、それだけでも普段からいかにきつい練習をやり込んでいるかを感じる事ができました。

写真3

練習中は三浦監督やコーチの八木さんが声を掛けながら付きっきりで指導します、ハードなセット練習をこなしながらもフォームは最後の1レップまで乱れません。

フォームを重視し無理な姿勢での挙上にならないよう普段から注意しているので、これだけ強度の高い練習をしながらも練習中の怪我というのは殆ど無いそうです。

選手のトレーニングメニューは三浦監督が一人一人の個別性を重視して作成しており、モチベーションの高い選手達が練習をやり過ぎてオーバートレーニングにならないよう監督がセーブをかける事も多いとの事でした。

また、パワーリフティングのトレーニングはジム内で完結してしまいがちですが、京都学園大パワーリフティング部では多角的なトレーニングメニューを取り入れており、心肺能力を鍛える走り込みのような練習も実施しているそうです。

ウェイトトレーニングの後は体操から三浦監督の指導によるコアストレッチを実施し3時間の練習は終了となりました。

【出稽古を終えて】

今回京都学園大パワーリフティング部での練習に参加させて頂き、強さの土台にはやはりまずレベルの高い環境とハードな練習、監督やコーチの熱心な指導、それに加えて選手達の常に世界を意識した高いモチベーションがあると感じました。

京都学園大パワーリフティング部では、上で写真を載せさせて頂いた寺原選手や古川選手以外にも、デッドリフトで300kgの記録を持つ佐野選手(3年生)や、昨年のジャパンクラシックパワーリフティング選手権で非常に高い水準の記録を出した窓場選手(2年生)といった、一般部門の全日本上位選手にも劣らない記録を持つ選手達が数多く在席しており、練習を見ていても部員の皆さんの扱う重量には驚きの連続でした。

この先日本のパワーリフターが世界で勝てるようになっていくにはジュニア選手の育成が重要であり、それには学生パワーリフティングの盛り上がりが必要不可欠だと思います。

強豪京都学園大パワーリフティング部で才能を伸ばしているジュニア選手の皆さんはきっとこれからの日本のパワーリフティングを引っ張っていく存在になってくれるのではないでしょうか。

そして、今後は更に競技が普及し京都学園大学のようなパワーリフティングに力を入れる学校が増えていく事を期待していきたいですね。

【私の練習】

ついでに、今回の私のスクワット練習動画です。

222.5kg×4(体重92kg)

現在スクワットは5×5ルーティンで大体週3回、ベンチプレスは毎回高重量を持つ練習で同じく週3回くらい、デッドリフトは2週間に1回程度の頻度で練習しています。

2月のジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会ではスクワット250kgトータル680kgの達成と世界大会への出場権獲得を目標にし、残り1ヶ月半しっかり練習を頑張っていきたいと思います。

今回私の出稽古にお供して頂いたのが以前から仲良くさせて頂いてます大阪の木下選手。

ノーギアベンチプレス公式記録200kgオーバー、三種パワーリフティングの大会には未出場ですがスクワットやデッドリフトも強く、これから間違いなく全国区のプレイヤーになっていく期待の新鋭選手です。

この日は遠征から帰ってきたばかりでコンディションが万全でない中での練習でしたが、胸止めベンチプレス200kgを軽々と挙上していました。

写真4

私(左)三浦監督(中央)木下選手(右)の三人で記念撮影、京都学園大パワーリフティング部の皆様、この度は本当にありがとうございました!

 

 

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■コラム執筆者

神野亮司
愛知県 MBC POWER所属 ( http://mbcpower.web.fc2.com/ )
ベスト記録(ノーギア)
・93kg級
スクワット237.5kg
ベンチプレス165kg
デッドリフト262.5kg
トータル660kg
・83kg級
スクワット212.5kg
ベンチプレス157.5kg
デッドリフト255kg
トータル612.5kg
実績
ジャパンクラシックパワー(旧ジャパンオープンパワー)出場9回、最高2位
2012年アジアクラシックパワー男子一般83kg級2位
2014年世界クラシックパワー男子一般83kg級11位

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