今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。
今回は、記録向上の為に大切になる練習動画の活用方法についてお話していこうと思います。
<目次>
・練習動画の撮影
・動画の撮影ポイント
・トップ選手等のフォームを見る時の着眼点
・全てを取り入れる必要はない
・まとめ
練習動画の撮影
まず、記録向上をさせて行く為に大切な事が自分の練習動作の撮影です。
日頃通っている施設的に撮影がNGの場合は、定期的に撮影がOKの施設に行き自分の動作を多面的にチェックする事をおすすめします。
なぜ練習動作の撮影をする事が大切かというと、主観的な動作と客観的な動作の擦り合わせ作業を行っていく事が出来るからです。
主観的な感覚では、あれこれフォームについて考えて動作を探っていたり練習していると思いますが、それを客観的に見てみると、殆ど変化がなかったり、自分がイメージしている様な動作ではなかったりという事が多々あります。
これはトレーナーとして、現場で多くのクライアントを指導して来た経験則からですが、当てはまる方が多いのではと思います。
パーソナルトレーニングなどでは、トレーナーがその場で動作の違いや変化を指摘したり改善したりしてくれるので良いですが、普段の一人での練習ではなかなかそういった事はできません。全て自分で確認し、考え、改善をしていかなくてはなりません。
その時の客観的評価を出来るものとして動画はとても良い道具になるので、ぜひ撮影が出来る方には直ぐに活用して頂きたいです。
動画の撮影ポイント
動画の撮影ポイントをいくつか挙げておきます。
まず動画をどの方向から映すのか?これは、「前方・後方・左右・斜め前方後方左右」の8方向が基本です。
これに加えて高い低いなどの高低も考慮していかないといけません。
ここで大切なのが、「自分のフォームの何を確認したいのか」によってこれらの位置を変える必要があります。
例えばスクワットの場合
・スクワットのしゃがみの深さなのか?
・上体の前傾具合なのか?
・ニーインの具合なのか?
・担ぎ位置の高低なのか?
等など、その理由によって様々に変化していきます。
「とりあえず全体が映る様に」は一番勿体無いと個人的には思っているので、ぜひ自分が確認したい事をより正確に確認出来る撮影ポジションを見つけてください。
スクワットのしゃがみの深さなどはどの方角や高さから撮るのかで全く印象が異なりますので、注意も必要です。特にパワーリフティングの試合前などは、審判の座る位置からの見え方なども気にしていく必要もあるかと思います。
審判からの視点は、下記のコラムでコラムニストの佐名木選手が詳しく書いていらっしゃるので一度は目を通して置いて損はありません。私も国内3級審判資格を持っておりますが、大変勉強になりました。
参考記事:審判から見える世界 初めての審判経験(近畿ベンチプレス選手権大会)
参考記事:続:審判から見える世界 2級審判への道①(長野県秋季パワーリフティング・ベンチプレス選手権大会)
参考記事:続:審判から見える世界 2級審判への道②(赤穂忠臣蔵パワーリフティング選手権大会
参考記事:審判から見える世界 2級審判への道③(はじめてのフルギア3種、全日本パワーリフティング選手権大会)大切なのは仲間
トップ選手等のフォームを見る時の着眼点
大変恐縮ですが、私が普段の練習時にチェックしている点などを書かせて頂きます。
まず、自分が苦手としている種目、動作、改善していきたい事とそのゴールが明確であれば、そこに集中してゴールに最も近いであろう選手の動作を見つけてきて只管に自分との差異をチェックします。そして良い動きのイメージを強く持ちます。
その様な明確なゴールが現在定まっていないという場合は、自分の理想の選手や、好きなトップ選手の動画などをピックアップするのが良いかと思います。
私の場合は、3種共に国内外のトップ選手を参考にしています。
階級も軽量級〜重量級まで様々です。
この選手は肘の使い方が上手いな、とかこの選手はブリッジの組み方が上手いな、とかどの重量でもフォームに乱れが出ないな、とか、自分の中でそれぞれの選手の真似したい所や特徴などをピックアップしています。
それから、各選手に共通する事は何なのか?共通しない事は何なのか?などを自分なりに考えて答えを出します。海外選手と比べて骨格の違いなどは当然ありますが、その中でもどの様なテクニックを使っているのかを考える事はとても重要です。
自分の改善したい動作やピックアップした動作を実際に練習で試してみて、自分の身体に合わせていく事で強くなっていくと思います。
その時に、参考にしている選手等の動画と出来る限り同じアングルで動画を撮影する事が一番重要です。自分の動作と参考選手の動作をコマ送りにして見比べたり、ズームして見たりを何回も繰り返す事で
・関節の位置のちょっとした違い
・動作タイミングの違い
・各部位の微妙な向きの違い
・連動する部位やそのタイミングの違い
などを発見出来ると思います。
それを毎練習繰り返す事によってフォームの精度や練度が上がり、記録の向上へと結びつくのだと実感しています。
全てを取り入れる必要はない
SNSが発展し多くの情報が溢れている昨今では、「トップ選手が〇〇という練習をやっているから」とか「トップ選手は〇〇の様な動作をしているから」という理由で、同じ様な事を行っている方も多くいらっしゃると思います。
それ自体は問題ないと思います。
ですが、自分と参考にしている選手は様々な点で異なります。
全く同じ事をやっても感じ方や効果の出方はそれぞれでしょう。可能であれば、その選手が今なぜその練習などを取り入れているのかという理由を聞き、理解した上で自分の中に落とし込んでいく事が望ましいと思います。
参考に出来る点はしっかり参考にし、沢山練習する事で自分に必要なのか、合っているかどうかの取捨選択を出来る様にする事が重要、且つ今の自分にとって必要である事をより深く理解する事にも繋がってくると思います。
人のやっている事全てを同じにする事はできませんが、エッセンスをしっかりと取り入れて活かしていく事は誰でも可能です。その判断は一人では大変困難かと思いますが、周りにいる強い選手やSNS、セミナー、イベント、パーソナルトレーニングなどを通して少しずつ判断基準などを学ぶ事もとても有意義な事だと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
日頃の練習で動画撮影している方も増えている印象だったので今回この様な記事を書かせて頂きました。
少しでも皆様のトレーニングに活かして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。
栗原 弘教
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ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット 270kg
ベンチプレス 170kg
デッドリフト 260kg
トータル 695kg
シングルベンチプレス 170kg
93kg級
スクワット 240kg
ベンチプレス 150kg
デッドリフト 250kg
トータル 635kg
戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高5位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位