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ジム再開後に怪我をしない為のトレーニングの始め方

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、緊急事態宣言の解除に伴いジムの営業が再開された所も多いかと思いますので、長い自粛生活後のトレーニング再開時に怪我をしないで、元のパフォーマンスへ戻す方法や考え方について書いて行こうと思います。

<目次>
・現状の身体の状態を肯定する事
・身体は硬まっている
・重量選択は焦らない
・計画的なトレーニング
・まとめ

現状の身体の状態を肯定する事

多くの方は、長い自粛期間の中で自宅で出来るトレーニングやストレッチ、ヨガ、ピラティスなどを行っていたのではないでしょうか?

ですが、意識的に動いてはいたけれど、実際に外に出て活動する機会は激減していたと思います。
毎日の通勤や何気ない日常の活動で身体を動かしていたんだなと、改めて感じた方も多くいるのではないでしょうか?私はそう感じた一人です。

そこで、在宅ワークや活動不足で硬まってしまった身体の状態で、意気込んでトレーニングを再開すると、どういった事が増えるでしょうか?

それは怪我です。

もちろん久々の器具を使ったトレーニングは、トレーニング愛好家や選手であればとても気分が上がり、嬉しいと思います。動けていなかった期間の分まで思いっきりトレーニングをしたいと思うのですが、ここでちょっと待ったをかけられるかはとても重要です。

どんなに自宅トレーニングをしていた人でも、バーベルやマシンを使用したトレーニングを久々に行うと、「違和感」を感じると思います。

2〜3ヶ月間もトレーニングできていないと、身体の筋肉、関節などが以前の様に上手く動かせなかったり、いいタイミングで動作を行う事ができなくなっている事が多くあります。
その理由は身体の硬さと神経系の反応の低下が主になると考えられます。

その状態にショックを受けたりする方もいると思うのですが、それは自然な事なので「今はこれでいいんだ」としっかりと現状の身体を受け入れてみてください。

その上で、どの様なペースでトレーニングをしたり、今後改めてどの様な事をしていったらいいのか、と言った事を考える様にしていくと、より効果的に身体を変化させていく事が出来ると思います。

身体は硬まっている


まず真っ先にやって欲しい事は、ストレッチとモビリティドリル、コアを含めた体幹部のトレーニングです。

長い自粛生活で硬まった身体をいつも以上にしっかりと時間をかけて伸ばし、緩めてあげてください。そして、姿勢の不良などで衰えたり不活性化しているコアの筋群をしっかりと起こして、鍛えてあげてください。

目安としてはいつもの1.5〜2倍程の時間や種目です。
その分トレーニングの時間や種目を、いつもより減らして時間の調整をしてもいいくらい大切だと思っています。

まずは身体が動きやすい状態に持っていく事が大切。
特に肩甲骨、胸郭、股関節、足関節周辺の筋肉などは念入りに行うと、怪我の予防になります。

重量選択は焦らない

2〜3ヶ月間もバーベルなどでトレーニングをしていないと、間違いなく神経系の反応は落ちています。

その状態で、高重量(85%1RM以上)を持ってトレーニングすると個人的にはかなり危険ではないかと思います。重量を持ちたい気持ちも理解できるのですが、怪我のリスクや効果との天秤にかけると、おすすめする事はできません。

約60〜70%1RM程度の負荷で6〜12回程度の強度でリスタートすると、徐々に動きや感覚が合ってくると思います。

マッスルメモリーと言われる(一定期間のトレーニング後、休止期間を経てトレーニングを再開しても、元の能力やそれ以上になるというもの)機能も筋肉に備わっているという研究結果も出てきているので、焦ったり悲観的にならず、一歩ずつ着実に行うのが良いと思います。

計画的なトレーニング


現在はパワーリフティングに限らず、多くのスポーツでプロアマ問わず大会が中止や延期になっています。

選手の心情としては大変苦しいと思いますが、悲観的になってばかりいても前に進めませんので、冷静に現在できる事を判断していく事が大切になります。

パワーリフティング競技では、秋季大会の開催の可否は、まだ未発表かと思います。
そこで、今後は今シーズンの大会へ照準を合わせるのか、来年以降の大会へ重きを置くのか、という2つに大きく選択が別れるのではないかと思います。

ここは、個人の考えや状況によって異なるので、皆さんが判断していかなければいけない所ではあります。

秋季大会に標準を合わせる方であれば、今から数えると約3〜4ヶ月程度、来年春の大会を見越している方は約10ヶ月程度の準備期間がある事になります。

その中から逆算して、それぞれ「筋肥大期間」「ストレングス期間」「ピーキング期間」という形でピリオダイゼーションを考え、各期間中のトレーニングサイクルを決定して行きます。

来年以降に重きをおいている人の場合は、いわゆるトレーニング期間と言われる筋肥大期間が長く取れるので、しっかりと身体の下地を作る事が出来る点は後々大きなメリットになると考えられます。

私の場合は、年内に大会が開催されれば出場する予定でいますが、来年以降を考えた上で、現在はやや長期の筋肥大期間を設定してトレーニング計画を作っています。

年内の大会は楽しみつつ出場し、トレーニングの進捗を確認する位置付けです。(勿論その時に出来るベストの試技をします。)

まとめ

いかがだったでしょうか?

まずは現在の身体の状態を把握し、無理せずに元の状態まで身体を戻す事。

そして、今後の自身の目標などを再設定し、そこから逆算したトレーニング計画をしっかりと立てて取り組んでいくといった事が大切になると思います。

焦らずじっくりと自身の身体や目標と向き合う事が出来る良い時期になるのでは思っております。

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今回の内容が少しでもお役に立てば幸いです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

文:栗原 弘教

 
 
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東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  280kg
ベンチプレス 170kg
デッドリフト 260kg
トータル   710kg

シングルベンチプレス 170kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高5位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
  *スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位

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