読者の皆様、こちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。SBDコラムニストの福村彩です。
今回は試合の時に準備する持ち物についてご紹介したいと思います。
パワーリフティングの試合は開始までに様々な工程があります。私自身のおおよそのタイムスケジュールは次のような感じです。
会場到着
・ラック高・足台申請
・コスチューム(ユニフォーム)チェック
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2時間前
・検量、スタート重量申告
・食事とのんびりタイム
▼
1時間15分前
・ユニフォーム着替え
・ストレッチ
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45分前
・試技のウォームアップ開始(ウォームアップをするために並んでいる人数や、自分の試技の順番を見ながらアップの時間調整)
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試合開始
大会によって順番が異なったり、時間が押していたり、上記の様に進まない時もありますが、時間が限られた中でも食事やウォームアップなどの準備を極力スムーズに行いたいので、事前に流れを大まかに把握することや、準備をしておくことは大切だと思っています。
大会までに練習を繰り返し、やる事はやったという自分の気持ちを作るのと似ていて、持ち物を準備するというのも、試合中の感情や行動のブレが最小限に減る感じがして試合の結果にも自分自身は出てくる気がしています。
ユニフォーム&用具類
試合ではユニフォームと用具類はJPAのルールブックにのっとった物を使用します。
◆ユニフォーム
・シングレット
・Tシャツ
・短ソックス(スクワット用、ベンチプレス用)
・長ソックス(デットリフト用)
大切なユニフォームは、試合以外での練習で毎日使うのはもったいないのと、練習は日々の生活の一部なので準備がしやすいレギンスとTシャツというスタイルになっています。
試合前になるとユニフォームを着用し、ユニフォームの締め付け感、滑りやすさ、試技中での感覚などを確認したり、試技をみてもらい、スクワットであればしっかり沈んでいるか、ベンチプレスであればお尻や足裏が浮いていないか、デットリフトでは引き上げの感覚など、練習と試合当日との差が極力なくなるような練習を行います。
◆用具類
・ベルト
・ニースリーブ
・リストラップ
・シューズ
・スクワット用シューズ(ウェイトリフティングシューズ)
・ベンチ用シューズ(作業靴 ハイパーブイ)
・デットリフト用シューズ(レスリングシューズ)
試合前の練習では用具を変えると感覚が変わってしまうので、極力試合と同じものを使用します。
練習の時はフォームをかえたり色々試す期間だと思っているので、シューズなどはフォームや感覚が変わるたびに変えたりします。
例えばですが、ベンチの時のシューズは競技を始めた当初からだと、
ウェイトリフティングシューズ→レスリングシューズ→ハイパーブイ→ウェイトリフティングシューズと変化しています。
フォームが変化したことや、自分の体の癖が出ないような靴を選んでいったら自然とこの様になりました。
◆ウォーミングアップの用具
試合会場では時間が限られているのと、会場に持っていける物も多すぎると大変なので最小限にとどめています。
・ストレッチポール
・チューブ
試技のウオーミングアップもあるので、これらを使用して体を温めたり軽くほぐす程度に行っています。
◆試合時の飲食物
【検量直後】
私の場合、試合前日から少し水抜きしているので、吸収しやすい経口補水液を飲みます。
・経口補水液
【検量後】
試合まで時間があまりないので低脂質で極力消化が良い炭水化物とアミノ酸を摂取します。
食べる量は以前リカバリーを意識しすぎて水分や固形物を取りすぎてアップや第一試技で気持ち悪くなった事があるのと、固形物を入れなさすぎるとそれはそれで気持ち悪くなったり腹圧があまりかからなかったりするので、7分目くらいで止めておいて、試合前などにちょこちょこ補給するくらいにしています。
・スポーツドリンク(飲みやすいように薄めたもの)
・白米おにぎり100~150gくらい(具は梅、昆布、おかか、ゆかりなど)
・バナナ
・甘納豆(小さくてちょこちょこ食べやすいので)
・BCAA
その他にカステラ、団子、など気分によってかえています。
◆試合直前&試合中
試合直前は補給という感じで、ちょこちょこつまみやすいものや、すぐエネルギーになるものにしています。
・スポーツドリンク(飲みやすいように薄めたもの)
・ヴィターゴ
・BCAA
・甘納豆
・レーズン
・黒飴
試合中の持ち物
試合では用具類や飲食物など必要なものが出てきます。試合では最大2名までセコンドが付いていただくことが可能です。1人で行う時もあれば、セコンドが付いてくれる人が出来たとしても試合当日に事情が出来て1人で試合を進めていく可能性もあるので、1人でも管理できるように持ち物を用意しています。
全国大会や世界大会はドーピング検査があります。このような事がないと願いたいですが、万が一の事を考え、飲み物なども蓋つきにしたり、自分で管理できる範囲の量にするなど、自分のものは自分自身で管理するという心構えは大切なのかもしれません。
◆試技中に持ち歩くバック
・下記を入れるトートバック
・シェイカー(飲みやすいように薄めたスポーツドリンク)
・ヴィターゴ
・黒飴、レーズン、甘納豆など詰めている小袋
・BCAA
・汗を拭くタオル
・靴裏などを拭く雑巾
・ボールペン、重量申請の用紙を挟むボード、メモ帳
試技中でも飲み物や少しつまめるものが欲しいのと、汗で滑ったり、足裏が滑って試技に集中できない場合もあるのでタオルは必須です。試技が終わったら次の試技の重量申請を1分以内に行うルールがあるので、すぐ申請用紙を出せる様に書きやすい準備もしておきます。
◆試技間ごとに必要になるバック
・下記を入れる大きめのバック
・ベルト
・ニースリーブ
・リストラップ
・シューズ
・スクワット用シューズ(ウェイトリフティングシューズ)
・ベンチ用シューズ(作業靴 ハイパーブイ)
・デットリフト用シューズ(レスリングシューズ)
・新聞紙、ベビーパウダー(デットリフト用)
パワーリフティングの場合、1種目終わるたびに次の試技までの時間があるので、その間に用具を変えたり、デットリフトでベビーパウダーを利用するのであれば、パウダーが飛び散ると靴裏について滑りやすくなり自分も他選手も会場も困るので、新聞紙など用意しベビーパウダーを振りかけます。
さいごに
急なご報告になり申し訳ございませんが、この度SBDコラムの連載をお休みさせて頂くことになりました。
私自身コラムを通じ、自分自身をより深く理解することができとても勉強になりました。
この様な場を頂けたご縁、提供して頂きましたSBD様、ご愛読下さっている皆様に心から感謝を申し上げます。
もしSBDコラムに戻ってくる時があれば、またSBDコラムでは、私が感じたことや考え、取り組みなどを通して、パワーリフティングやトレーニングの楽しさや魅力を発信していけたらと思っています。それらが少しでも皆様のお役に立てるなら幸いです。
皆様、本当にありがとうございました!!
埼玉県ストロングライン所属
B.T.S.L FITNESS
ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 82.5kg
・デッドリフト 137.5kg
・シングルベンチプレス 82.5kg
戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会一般47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス大会一般47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
世界クラシックベンチプレス大会一般47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門一般47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2020年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会一般47kg級3位