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ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会結果と試合前の過ごし方について

今月もご覧頂きましてありがとうございます。

SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、10/31~11/1に徳島県にて開催された第21回ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会(以後 JCB)へ出場してきましたので、そのレポートという形でコラムを書かせて頂きたいと思います。

<目次>
・大会結果と重量選択
・大会までのスケジュールや過ごし方
・まとめ

大会結果と重量選択

まず大会結果からお伝えしたいと思います。

結果としては、第一試技170kg成功、第二試技175kg成功、第三試技180kg成功といった流れで全て成功試技という大変良い結果で、さらに今までの公式大会ベストが170kgでしたので、+10kg記録を更新する事が出来ました。

特に、国内最高峰の舞台であるジャパンクラシックという舞台で、今年取り組んできた事の結果を出す事が出来たのでとても嬉しく思っています。

大会出場にあたり、多くの方にご声援を頂き力を頂きました。

この場をお借りしまして感謝申し上げます。ありがとうございました。

第一試技 170kg

第二試技 175kg

第三試技 180kg

それではここから少し今回の大会を振り返っていこうと思います。

先月のコラムでも少し書かせて頂いたのですが、ピーキングも順調で最高182.5kgまで成功させる事が出来ていました。

当日の調子次第では185kg付近も狙っていきたいと考えていましたが、結果としては着実な重量選択をするに至りました。

その判断の基準は、第一に来年のジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会(以後 JCP)への準備としての位置付けである事、第二に試合での厳しい判定を考えた結果、第三に180kgをまずは成功させたいという気持ちが強かった、という3つです。

おそらく私がベンチプレッサーであれば、もう少し攻めた重量選択をしていたと思いますが、JCBという舞台でどの程度の記録が出せるのかを測りながら臨んでいました。

そして、ベンチプレスの全国大会なので当然審判の判定もより正確に、厳しくなっていきます。普段の練習であれば問題ないと判断していても公式大会、特に全国大会では赤判定になる事は往々にしてあります。

今回もW-upの感じはとても調子が良かったのでスタート重量を変更しようかやや迷いましたが、前グループや前日の判定などでも厳しくしっかりと赤判定を取られていたので着実に成功試技を取れるだろうという重量を選択しました。

公式大会に初参加する選手の方は、第一試技の重量を高くし過ぎる場合も多いので、もしこれから大会を控えている方は重量的にも精神的にも余裕のある重量からスタートする事を強くおすすめします。

目安は「2~3回は絶対に、何があっても潰れない重量」です。

第一試技を失敗してしまうと、身体的にもダメージを受けますが、精神的に大きく追い込まれたりリズムが狂ってしまったりとマイナスの影響が大きくなるので、ぜひ覚えておいて頂きたいです。

第三試技の重量は、182.5~185kgも成功出来たかもしれない、という感覚はありましたが私自身年内の公式大会で180kg台を成功させる事を一つの目標にしていたので、リスクを取らず成功確率の高い重量を選択しました。

そして、今回のJCBで180kgをやや余裕を持って成功させる事が出来た事で、来年のJCPでは自信を持って更に上の重量を選択出来る様になりました。

今回の試合での一番の収穫は個人的にはここにあります。練習での成功重量と公式大会での成功重量の持つ意味合いは大きく異なります。先にも挙げましたが、厳しい審判の判定や独特の雰囲気の中で達成した記録には大きな価値があるのです。

公式大会へ参加した事がある方であれば皆さんご理解頂けるのではないでしょうか。まだ参加されていない方は、ぜひ参加してその感覚を感じて頂きたいと思います。

大会までのスケジュールや過ごし方

大会までのスケジュールですが、簡単にご紹介しようと思います。今回大会が開催されたのは徳島県だったので、東京から飛行機移動になります。

移動を伴う全国大会の場合、私の場合は移動の疲れや体調管理などを考慮し試合の前々日に会場近くのホテルに入ります。

以前は試合の前日入りをしていましたが、現在は階級を変えた事で試合が最終日という事で他の階級の試合を見たり試合会場の確認や雰囲気、プラットフォーム(実際に試技をする場所)やアップ場の機材(ラックやバーベル)の感覚を確認する為にそうしています。

プラットホームの確認

アップ場などの会場風景

大体が試合を途中まで見てホテルに帰りゆっくりと過ごします。

会場にずっといると、ずっと立っていたり色々な方とお話したり、歩き回る事も多いので、やはり身体が疲労してしまい、むくんだりと良い影響はありません。

減量がある場合は自前の体重計で、起床時、食前食後、入浴前後、就寝前、外出前後などで常にチェックをしています。今は減量の必要はありませんが、それでも体重計は必ず持参し誤って検量オーバーにならない様に調整をしています。

ホテルに戻ってからは基本は好きにゆっくりと過ごしますが、ストレッチや振動ローラーなどのツールを使って常に身体のどこかをほぐしています。

また、入浴は人による様ですが、私の場合は可能な限り温泉や大浴場があるホテルを選びます。

普段から湯船にしっかりと浸かる習慣があるので、疲労を取るため精神的にリラックスするために個人的には非常に重要なポイントです。

普段シャワーだけという人は身体が緩みすぎてしまうという話も聞いた事があるので、ご自身の普段の生活リズムを変えない環境を作れると良いと思います。

大会当日は試技開始予定時間の何時間前に起き、試技開始予定時間の何時間前に食事をする、という自分なりのルーティンの様な物があります。

今後も色々と調整して変わっていくかもしれませんが、毎試合そのあたりを意識して試合時の身体の動きがどうだったかなどを試合後に検証し、次戦に生かしていく様にしています。

会場へは検量時間の約20〜30分前を目安に行きます。

検量時間や検量順(Lot No.順です)は下の写真の様に検量室の横に張り出されてます。(前日に確認しておきます。)

試合で使用するコスチュームチェック(Tシャツ・ソックス・シングレット・リストラップ・ベルトなど)やラック高の申請は検量の前に済ませて置く方が検量後スムーズに食事やW-upへと入れると思います。

それから、ストレッチはどれくらいの時間をかけてベストな身体の状態へ持って行けるのかを普段の練習で計算しておくと良いです。

そこから逆算した時間と実際のW-upにかかる時間を計算して試技開始までに全てを滞りなく済ませる様に行動します。

W-upはアップ場の器具の数や参加人数などによって、待ち時間が予想以上に長くなり十分にアップが出来なくなってしまう場合もありますし、予想よりも早く終わってしまい試技までかなり時間が空いてしまう、などという事もあります。

いつものW-upにかかる時間と当日の状況を見ながら、やや余裕を持ってW-upを進行していく事を心がけると不安なく試技に臨めると思います。

鈴木選手、渋谷選手のW-upの様子

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回自己ベストを+10kg更新する事が出来た事の他にも、今後に繋がる経験も多く出来たので、来年行われるJCPへ向けて良い準備やトレーニングが出来そうです。

試合前の過ごし方や当日のスケジュールは非常に大切だと思いますので、私の例をご参考にして頂きつつ、少しずつご自身のルーティンを確立していって頂きたいと思っています。

JCBの様子は私のYoutubeチャンネルで公開していますので、お時間がありましたらご覧頂けますと幸いです。

Youtubeチャンネル:Hironori Kurihara

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

栗原 弘教

 
 
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ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  280kg
ベンチプレス 170kg
デッドリフト 260kg
トータル   710kg
シングルベンチプレス 180kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高位 5位
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場2回 最高位 8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
   *スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位

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