今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。
今回は肩の痛みや違和感がある方へ向けたトレーニングのご紹介です。肩に痛みがない方も同様のトレーニングをウォーミングアップで取り入れて頂くと、怪我の予防やパフォーマンス向上に効果的です。
<目次>
・肩の痛みの原因について
・YTWLトレーニング
・まとめ
肩の痛みの原因について
肩の痛みの原因については今までのコラムでも何回か触れてきていますが、その多くは肩関節周辺の筋バランスの崩れから起こる過緊張や筋弱化です。
その結果、肩関節のインピンジメント症候群になったり、肩関節周囲炎になったりしていきます。
特に緊張しやすい筋肉は小胸筋、広背筋、大円筋、僧帽筋上部繊維、肩甲下筋などが挙げられます。これらの筋肉は常に緩める事が必要になります。
加えて、動きが悪くなると肩関節後部の軟部組織の癒着なども進む事で、一層痛みや違和感が増す事が多くあります。従って、肩関節後部も意識的に緩める事が必須と考えて頂きたいです。
弱化しやすい筋肉は主にローテーターカフと言われる筋肉や僧帽筋中部・下部繊維、菱形筋などです。これらの筋肉はしっかりと伸縮が出来るようにし、機能低下をしないように常に気を配って行かなくてはいけないと考えて良いでしょう。
今回ご紹介するトレーニング種目は、これらの筋群を単体で使用するものではなく、ユニットで使う事を目的にしています。通常筋肉は単体で仕事をする事はほぼ無く、多くの筋肉と協調して働かなくてはいけません。
勿論、単純に単一の筋肉を強化する事も必要ですので、それはそれとしてぜひ行ってください。
肩に痛みや違和感がある方は、トレーニングに取り入れて頂くと改善の糸口になるのではと思っています。
YTWLトレーニング
Yトレーニング
ターゲット:僧帽筋下部繊維
写真のように柱やラックなどのやや低い位置にチューブを引っ掛けます。
その状態からアルファベットのYの文字を作るように、バンザイをしていきます。
この時、肘を曲げて腕の力を使ったり、首をすくめるようにして首や肩に力みが出ないようにする事が重要になります。
肩甲骨の内側から下周辺の僧帽筋下部繊維や肩関節後部に収縮感や疲労感を感じられる事が理想です。
勢いや惰性で行わず、ゆっくりとターゲットの筋群を使っていく意識を強く持って行う事が大切な種目です。
回数は15〜20回、2~5セット程度が目安です。
Tトレーニング
ターゲット:僧帽筋中部、菱形筋
Yの位置よりもやや上でチューブを引っ掛けます。
おへそから鳩尾(みぞおち)あたりの高さでやりやすい高さで大丈夫です。
Yと同様で腕には力を入れず、肘をしっかりと伸ばした状態でアルファベットのTの文字を意識して両腕を開きながら後方へチューブを引っ張ります。
この時、しっかりと肩甲骨が内側へ寄る事が重要です。
また、首や肩をすくめたりしない事、腰を反って上体の力で行わない事が大切になります。
回数は15〜20回、2〜5セット程度が目安です。
Wトレーニング
ターゲット:ローテーターカフ、僧帽筋下部繊維、菱形筋
スタートのポジションはTと同様の位置になります。
そのスタート位置から、写真の様にアルファベットのWの文字を意識しながらチューブを引っ張ります。
・肩甲骨をしっかりと寄せる事
・肩が挙がらない事
・脇が出来る限り開かない事
・腰を反らない事
・出来る限り腕の外旋を出し、腕が後ろへいく様にする事
の5点が非常に重要です。
Wは他のYTLに比べて難しく感じる方も多いのですが、その分肩甲骨周辺の筋群をユニットでしっかりと使えるようになっていきます。
丁寧にコツコツとやって頂くと必ず収縮感や終わった後の動きやすさ等を実感して頂けると思います。
回数は15〜20回、2~5セット程度が目安です。
Lトレーニング
ターゲット:ローテーターカフ、菱形筋
スタート位置はT、Wと同様の位置です。
スタート位置から肘を90度曲げ、出来る限り腕、肘が身体から離れないようにしながら最大限外旋させていきます。
それぞれの腕がアルファベットのLの文字の様になる形を意識しながらチューブを引っ張ります。
・肩甲骨を寄せる事
・肘は90度を保つ事
・腕や肘の位置が前後にずれたり出来る限り開かないようにする事
が大切になります。
肩甲骨の内側と、特に肩関節後部に強い収縮感が出てくる事が理想です。
回数は15〜20回、2~5セット程度が目安です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した種目を行う前に、必ず冒頭で記した緊張している筋群を緩めたり、ストレッチしたりしてください。
そうする事でよりスムーズ出来ますし、効果的になります。
また、YTWL全てを行わず、2~3つを日によって選択するといった形でも良いと思います。
コンディションや実施環境などによって臨機応変に取り入れて頂ければと思います。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
文:栗原 弘教
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ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット 280kg
ベンチプレス 170kg
デッドリフト 260kg
トータル 710kg
シングルベンチプレス 180kg
戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高位 5位
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場2回 最高位 8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位