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手段から目的へ:俺のスクワット遍歴 (ボディビルからパワーリフティングへの転向時のスクワット)

皆様こんにちはSBDコラムニストの佐名木宗貴です。
今月もご覧頂き有難う御座います。

コロナコロナと騒いでばかりだった2020年も気が付くともう師走になってしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

私の場合は仕事もトレーニングも不完全燃焼の感はありますが、目の前で起こる事に対して粛々と対応していたら気が付けばまた冬が来ていたといったところです。

オリンピックイヤーとしてあんなにも楽しみにしていた2020年がこんなにアッサリ終わるとは想像もしていませんでしたが今年は42歳の後厄であった事を思い出し、来年からは良い事が続くであろうと楽観視する年の瀬です。

そんななか今月のコラムは12月19~20日に兵庫県明石市のパワーフラッシュアリーナにて行われたジャパンクラシックマスターズパワーリフティング選手権へ向けたトレーニングの内容と結果についての報告としようと思っていたのですが、残念ながら諸般の事情により欠場する事に致しました。

これによって来年度に私が国際大会に出場する可能性は無くなりましたのでパワーリフティングの国際大会へのチャレンジは一旦終了となります。

今後の目標については世の中の情勢を見極めたうえでまた再設定したいと思いますが、仕事でもプライベートでも果たさなければならない役割が多くなっていますので、急がずじっくりと数年かけて作り上げるものにしようと考えています。

手段から目的へ:俺のスクワット遍歴

それでは今月の本題にうつりたいと思います。

先程次のチャレンジはじっくり時間をかけたいと書きましたが、実は今から9年前にボディビルダーからパワーリフターに完全に転向しようというチャレンジをした時は今とは違い僅か1年間足らずでトレーニングの内容も意識・考え方、生活スタイルも全てをガラリと変えるものでした。

それは今までやってきた事、築いたものを一旦崩し新たなものを作り上げるという、喜びと寂しさの両方が混在した充実した1年だったように思います。

そこで今回は私が2011年の冬から2012年の夏にかけてボディビルダーとして行っていたトレーニングからパワーリフターとしてのトレーニングに移行した際に経験した競技転向に伴うトレーニング内容・意識の変化について、3種目の中でも一番大きく変わったスクワットについて振り返ります。

同じトレーニング種目でも競技によって向き合い方が大きく変わりますので、あなたの周りにいるあなたとは違った目的のためにスクワットをしているアスリートやトレーニーにもあてはめながら一緒に考えていただければと思います。

トレーニング種目としてのBIG3から競技種目としてのBIG3へ

まず私が競技転向した背景として2011年8月に負った左上腕の神経障害が原因で左腕を肩より高く挙げる動作が出来なくなったというのが一番大きな原因でした。

そのためチンアップやラットプルダウン、ショルダープレス、プルオーバー等の種目は補助種目としても出来ない状態でのスタートでした。

元々ボディビル競技に出場していた頃からオフシーズンに近畿パワーや大阪パワーに出場していたのですがその頃は特にトレーニング頻度などは変える事無く、おおよそ試合の1~2ヶ月前(出場申し込みをしてから)からBIG3の優先度を高くして1~5RMぐらいのトレーニングを取り入れて、直前に「今何キロあがるんだろう?」ぐらいの気持ちで試合形式を1回やって試合に臨むという程度でした。

しかしこの2011年は8月に怪我をしてなんとか9月上旬に行われたMR関西までの間、出来る範囲でボディビルトレーニングを継続した後に1ヶ月ぐらい完全にバーベルを触らないようにして色んな病院や治療院に通いまくり、そのうえで「もう暫くボディビルは出来ないだろうから目標を切り替えて真剣にパワーリフティングをやろう」と決めて10月下旬ぐらいから完全にパワーリフター化に取り組みました。

週間で見るトレーニング頻度の変化はこのような感じでした。


ボディビル時代の冬場にパワーリフティング大会に出場していた頃は74kg級(旧75kg級)・83kg級(旧82.5kg級)・93kg級(旧90kg級)・旧100kg級と色んな階級で大会に出場していましたがどの階級でもだいたい記録はトータル600kg前後でした。

内訳はスクワット200~210kg、ベンチプレス150kg~160kg、デッドリフト245kg~255kgといったところでした。

つまり今と比べるとスクワットがかなり弱かったのです。

ボディビルを経験した人なら分かると思いますが、ボディビルダーにとって「脚が弱い」「脚が弱点」というのは非常に悔しい事です。

何故ならばボディビルにおいて脚を仕上げる事ほど難しい事は無いからです。そして立派な脚をしているビルダーは順位に関係なく尊敬される存在だからです。

それは脚を太くするための苦痛に耐え、その苦行の上に獲得した脚をコンテストに出るためにあらゆる葛藤と戦いながら削り上げ、研磨するという筆舌に尽くしがたい苦行を乗り越えた証明であるからです。

また素晴らしい脚をしているボディビルダーは、殆どの選手がスクワットを脚のレギュラー種目として採用し、ありとあらゆる方法で苛め抜いています。
ジムの受付やストレッチエリアではにこやかに談笑していたのに一度スクワットラックに入ると誰も話しかける事の出来ないオーラを放ち、拷問のようなセットを終えると千鳥足で次の種目へ向かう。
それが一番カッコ良いビルダーの姿なのです。

話しが逸れましたが、私もボディビル出身ですので当然スクワットの強い選手に憧れます。特に私の地元兵庫県神戸市のパワーリフターで「Mr.スクワット」と呼ばれた新田選手には学生の頃から強い憧れを抱いていました。


「俺もどうせパワーリフティングをするのならMr.スクワットと呼ばれたい」
そう思い、今までボディビルで取り組んできた、脚を太くするための「手段」としてのスクワットをパワーリフティングの試合でスクワットの最終試技者になるという「目的」のためのスクワットにモデルチェンジする事を目標として取り組みました。

潰れてからも追い込む ⇒ 潰れないように出し切る

フォームに関して、ボディビル時代はハイバーで担いで膝を前に出すようなフォームで行っていたのをローバーで担いで股関節を後ろに引くようなフォームに切り替えました。

ボディビル時代のスクワットは大腿四頭筋を太くするという「目的」のための「手段」でした。そのためスクワット自体の挙上重量に拘るというよりは如何にして「スクワットで担ぐ重さが大腿四頭筋に優先的に乗っかるか」という事に拘っていました。

そのためにスクワットよりも先にレッグエクステンションやシッシースクワット、スミスマシンを使ったフロントスクワットなど大腿四頭筋をアイソレイトしやすい種目で事前に四頭筋をパンプさせて先に刺激を与えてからバーベルスクワットを行う事が多かったです。

スクワットでよく使っていたトレーニング法は非常にオーソドックスなもので

①フォースドレップス
②ドロップセット

この2つです。
例としてフォースドレップスを使用したセットの組み方としては

60kg-100kg-140kg-160kg:W-UPで1~5レップス程度
1set目:180kgで自力いけるとこまで(だいたい8~10回ぐらい)
2set目:180kgで潰れるまで+フォースドレップス(だいたい6回+3回ぐらい)
3set目:180kgで潰れるまで+フォースドレップス(だいたい4回+3回ぐらい)
4set目:160kgで潰れるまで+フォースドレップス(だいたい6回+3回ぐらい)
5set目:160kgで潰れるまで+フォースドレップス(だいたい4回+3回ぐらい)

このような感じで基本的に自力で出来る範囲で終わるのは1set目だけで、それ以降は自力で行けるところまで行って潰れてから3回ぐらいあげてもらってエキセントリックだけ頑張るといった感じでした。

このような方法でも最初は筋力も強くなり使用重量が伸びていくのですが、目的が挙上重量を伸ばす事ではなく大腿四頭筋に効かせて太くする事ですのである程度の重量(180~200kgぐらい。20kgプレートが4枚ずつ付いていたらOKという謎のルールが自分の中にありました)をあげられるようになると今度は重量を伸ばすのではなく、そのトップの重量で筋肉を意識しながらゆっくり動かせるようにする事が目標となります。

我武者羅に180kgを8回あげるよりスピードをゆっくりとコントロールしながら筋肉を意識して8回あげる方が大腿四頭筋に強い負荷をかけられるようになるのです。

そして限界が来たら無理にフォームを崩してでもあげようとするのではなくコンセントリックは補助者にある程度任せて自分は筋肉から負荷が逃げないようにフォームを保ちスピードをコントロールしエキセントリックで更にゆっくりと筋繊維を引き延ばすようにレップを繰り返します。

このようなスクワットからパワーリフティングのためのスクワットに変更する為に、まず取り組んだのは「潰れない」という事でした。

当たり前の事ですがパワーリフテインングでは潰れてしまったら失敗です。

そのため今まではメインセットではスポットを頼むことが普通でしたが、敢えてスポットは付けずに自力で終えられるところでセットを終えるところから始めました。

最初は余力を残してセットを終えているようで違和感がありましたが徐々に違和感は無くなり今まで「フォームを崩してあげるよりスポットしてもらって正しいフォームをキープしてエキセントリックを頑張ろう」と考えていた局面で「フォームが崩れようが何しようが絶対にあげる」と気持ちが切り替わるようになりました。

バーベルの上昇局面で奇麗なフォームに拘ってスムーズに立ち上がる事が出来ずバーベルが止まってしまうとパワーリフティングでは赤判定となってしまう(バーベルが下がったとみられる)可能性もあるのでバーベルが動いているうちに多少崩してでも立つことを優先するようになりました。

潰れ慣れからの脱却。
これが一番最初に取り組んだことです。

目的とする筋群に意識を集中し効かせる⇒出来る限り沢山の筋肉を共働させる

ボディビルトレーニングからパワーリフティングに切り替えた当初、スクワットの筋力発揮のバランスは圧倒的にバーベルを下降させる局面、つまり主動筋となる大腿四頭筋やハムストリングス、臀筋などがエキセントリック収縮する局面では強く安定した筋力を発揮する事が出来るのに対して、バーベルの上昇局面、つまり主動筋のコンセントリック局面では強く収縮出来ない、或いは筋力発揮を長く保てないような状態でした。

これは恐らく対象筋に負荷が乗っている事を意識出来る範囲でスピードをコントロールする(ゆっくり等速で動かす)があまり、関節の連動性や多くの筋群を共働させる事が下手になっていたのだと推察します。

そのため効率的にスティッキングポイントを通過するためにボトムから伸張反射を利用して爆発的に立ち上がるような動作が最初のうちはタイミングが合わず苦手でした。

ボディビルでも慣性を働かせるようなチーティングは使いますが1回目から使用する事はあまり無かったのです。

「今どこの筋肉を使っているのか?」を常に意識して、意識が抜けない範囲のスピードで動かそうとしていたわけですが、この意識もパワーリフティングに変換するためには一度取り除くべき癖でした。

パワーリフティングでは如何に効率良くスピーディにスティッキングポイントを通過し筋肉や関節を連動させ「力の漏れ」を無くし推進力に繋げる事が重要です。

意識しなくてはいけないのは個々の筋肉ではなく動作です。同じスクワットではありますがボディビルスクワットからパワーリフティングスクワットへの転化は究極の非効率動作から究極の効率動作への移行、部位意識から動作意識への移行だと感じました。

脚を太くするための補助種目⇒スクワットを強くするための補助種目

次は補助種目です。
ボディビル時代の補助種目の考え方は「スクワットでやり残した部分や刺激が弱かった部分を補う」というイメージでした。

もっと言うと「追い打ち」のような感覚でやっていたのでイメージとしては雑巾を何度も絞って一滴も水が垂れなくなるまでやるという感じでした。

1回目の絞りがスクワット、2回目の絞りがハックスクワット、3回目の絞りがレッグプレス、カラカラになった雑巾を最後にもう一絞りする保険のようなものがレッグエクステンションです。

ボディビル時代の種目構成例

大腿四頭筋狙いの日
レッグエクステンション⇒スクワット⇒ハックスクワット⇒レッグプレス⇒レッグエクステンステンション

ハムストリングス狙いの日
レッグカール⇒ルーマニアンデッドリフト⇒ブルガリアンスクワット⇒レッグカール
※最初のレッグエクステンションやレッグカールはウォームアップ兼事前疲労で最後の方は〆のパンプアップ種目です。

これをパワーリフター化する為に以下のように変えました。

パワーリフター化

スクワットの日
ローバースクワット⇒ローバーポーズスクワット⇒ハイバースクワット⇒ハイバーポーズスクワット⇒フロントスクワット

 
補助種目の考え方については2020年7月のコラムでも紹介しましたが

基本的にはスクワットを最短距離で強くするためにはスクワットを沢山やるしかないと思いますので色々と味付けを変えながらもスクワットで足りないものをスクワットで補っています。

例えばローバースクワットで60₋100₋140₋180₋200₋220kgと上げていった日であればローバーポーズを180kgぐらいでやって、そのままラックだけ高くして180kgでハイバースクワットをした後に140kgでハイバーのポーズをやって最後に100kgでフロントをやって終了という感じです。

ポーズを多用しているのは当時まだまだパワーリフティング慣れしていなかったのでスクワットの切り返しの高さをミスする事が多かったためボトムを強くすれば思い切って下げられるだろうという考えからやり始めました。

またボディビル時代にポージングでお腹を凹ませて胸郭を膨らませるように呼吸をする癖がついていたためスクワットやデッドリフトで腹圧をかけようとしても胸ばかり膨らんでお腹にはあまり圧がかからない傾向があったのでボトムで腹圧がしっかりかかるよう練習する意味もありました。

この腹圧のコントロールが出来るようになってからスクワットは急に強くなったと思います。
ハイバーやフロントを補助種目で入れているのは今まではバランスよくトレーニングしていたのに今度はローバーやワイドデッドリフトでハムストリングスや臀部にばかり負荷が集中しているので大腿四頭筋にも刺激を入れてバランスを取りたくてやっていました。

パワーリフター化すると共にやらなくなってしまったレッグエクステンションやレッグカール、ハックスクワットなどですが今思うと完全に止めてしまうのではなく2週間に一度ぐらいのペースでも良いので続けておけばその後の怪我なども防げたのではないかと思い反省しています。

高重量のスクワットとデッドリフトを並行して伸ばそうとするとやはり脊椎や股関節、膝関節に負担がかかり過ぎるので関節を休めるためにも計画的にマシンも活用すればもっと良かったかなと思います。

道具の使い方

もう一つ大きな変化は道具の使い方です。
特に私が競技転向した2011年~2012年頃はノーギア部門(現在のクラシック部門)でニースリーブが解禁になった頃で、最初はガーゼに毛が生えたような医療用サポーターから始まって1年もしないうちにネオプレーン素材で反発のあるものが使われるようになりました。

もちろん今使っているSBD製品のような高性能ではありませんでしたが、当時何も使っていないゼロの状態からすると膝に何か巻いているという安心感があるだけでも膝への恐怖感はかなり和らぎ安全に強度の高いトレーニングを行う事が出来るようになり、記録を伸ばす事に繋がったと思います。

またリストラップもハイバースクワットからローバースクワットに変更する際に心強い味方になりました。

ボディビル時代は基本的にベンチプレスでしかリストラップは使用していなかったのですがスクワットをローバーに変更して暫くは手首に強い背屈痛があったので60㎝のリストラップを使用するようにしました。

ベルトに関してはボディビル時代から10㎝幅のものを使用していましたが高重量を安全に持つためというよりは“ウエストが太くならないため”という目的で使用していました。

科学的根拠があるかどうかは分かりませんが私がボディビルを始めた当初先輩方から「ベルトをしないで高重量をあつかうとウエストが太くなりVシェイプが崩れるからベルトは必ずしておいた方が良いぞ!」と習ったのでベルトは必ずするものだと思って使用していました。

また初心者の頃に「お前は柔道出身だから脇腹に筋肉がついていてウエストが太く見えるぞ」と言われた事もあり(※これも本当かどうか科学的根拠はないのですが)それ以来ベルトは必ずするようになっていました。

昔ブライアン・ブキャナンというウエストの細いビルダーがいて「あんな風になりたい」と思ってベルトをひたすらきつく締めてトレーニングをしていたんですが今思えばきつく締めているだけで腹圧を自らかけようとはしていなかったのでスクワットの強化には逆効果だったと思います。

パワーリフティング化を試みる過程でレバーアクションタイプのベルトを使用するようになってからベルトの圧に反発するように力を入れる練習をして腹圧をかけてスクワットをする感覚が掴めるようになり記録も向上するようになりました。

最後にシューズですがボディビルダー時代にパワーリフティングの試合に出場していた頃は三種目とも同じフットサルシューズを履いて試合に出ていました。

それをパワーリフティング化するにあたりスクワットはリフティングシューズ、ベンチプレスはフットサルシューズ、デッドリフトはレスリングシューズと使い分けるようになりました。

当初スクワットをリフティングシューズに変えたのは単純に「みんな履いてるから」「こっちの方が良いらしいぞ」ってだけでしたので今思えばローバースクワットをするのであればフットサルシューズのままでもレスリングシューズでも良かったように思います。

普通に裸足でしゃがめるのであればヒールを入れる必要性は特に無いと今は思っています。

ちょうど翌年の2013年が第1回の世界クラシック選手権が行われる年でしたので、あの頃はルールもまだガチガチに決まっているわけでは無かったので沢山試合に出て他の選手と情報交換するのが楽しみの1つでした。

ボディビル時代には「生身に如何に負荷をかけるか」にフォーカスしていたので道具に頼るのは弱々しいというイメージを持っていましたが、パワーリフティングに転向して「道具を使って如何に効率良く力を伝える事の出来るフォームを作るか」という風に道具に対する考え方を変えました。

またどうしても強度の高いトレーニングを行う頻度が高くなるので「道具を上手く使って怪我の危険を回避しながら賢くトレーニングを続ける」と考えるようになりました。

まとめ

ボディビルダーとしてパワーリフティング大会に乗り込んでいた頃は、あえてパワーリフターの真似をするのを避け「ボディビルダーもこのぐらい強いんです」「見せかけじゃないんです」っていう気持ちでやっていたのですが、本格的にパワーリフターになるのであればまずはそういった思考から変えていかないといけないと思い、それまでの自分は捨てて良い意味でも悪い意味でも「パワーリフティングに染まる」事を意識していたように思います。

パワーリフターになってからボディビルダーのスクワットを見ると「効率良く対象筋に負荷をかけるように出来ているが動作として見れば非常に非効率だ」と改めて感じました。

しかしこれは何もパワーリフティングだけでは無くてボディビル以外の競技からボディビル独特の効かせるトレーニングやテクニックを見ればとても特殊な作業なのです。

しかし怪我のリスクを軽減させるため、或いはリハビリテーションとして用いるためにウエイトトレーニングの入門時にはスピードを低速でコントロールし「今どこに効いているか分かりますか?」といったややボディビル的な教え方をされています。

これは導入方法としては正しいと思いますが、あくまで安全に導入するための方法である事を説明しなければウエイトトレーニングの指導と各スポーツのパフォーマンス改善ニーズとの間にギャップを生んでしまう可能性もあります。

同じスクワットですがボディビルダーが大腿四頭筋を発達させる手段として行うのとパワーリフターが競技種目として記録の向上を目的として行うのとでは根本的に違います。

同じバーベル競技でもウエイトリフティングであればスクワットはクリーン&ジャークのクリーンを強化するという目的のための手段として用いるのでフロントスクワットをフルボトムで行うのが基本でしょう。またバックで行うとしても身体を立てて行うハイバーが効果的でしょう。

そしてバーベル競技以外のアスリートがスクワットを行うのであればパフォーマンス向上や競技特性上起こり得る傷害の予防などもっと様々な目的のための手段として行われるはずです。

みなさんも自分は本当に目的に合ったスクワットが出来ているのか?
一度考えてみてはいかがでしょうか。

文:佐名木宗貴

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