SBDコラムをご覧の皆様こんにちは
ストロングマンの中嶋です!
皆さんはストロングマンの試合にどのようなイメージを持っていますか??
選手は全員超巨体、選ばれし者のみの集まり…
得体の知れないめちゃくちゃ重い物体を使う…
危険…
中にはこんなイメージの方々もいるかもしれません!(競技特性上あながち間違いでも無いのですが笑)
まだまだ正しい情報が浸透していないと感じるストロングマン競技。
自らが出場したいとなった時にこれらの偏ったイメージは障壁になってしまうかなと懸念していますので本コラムでは実際ストロングマンの試合に参加するまでの流れや、体験談、出場する時に知っておくといいポイントなど、まとめてご紹介いたします!
エントリーに向けて
まずは、試合へのエントリーまでに確認しておきたいチェックポイントはこちら!
①階級
②種目/使用重量/ルール(Max/回数/距離など)
①階級
まずストロングマン競技は体重別の階級制です。
決して巨体の持ち主のみの競技ではありません!
日本においては、次のような階級となっています。
男子 80kg以下級/100kg以下級/無差別級
女子 60kg以下級/無差別級
基本的に種目は階級共通、使用する重量は階級が上がれば重くなります。
また同階級内で種目毎の順位が同じだった場合は体重が軽い方が上位になる事がほとんどですので、ルールが体重が軽い選手に有利に働く事も多いです。
そのため、体重に関わらず、どなたにも勝機は充分あります!
ただし、ストロングマンはハードな競技です。
JSU主催イベントにおいては、無理な減量による怪我の予防のため検量も当日行います。
最初は自然で無理のない階級を選び、ベストな体調でチャレンジしてください!
②種目/使用重量/ルール
ストロングマン競技の最大の特徴の一つですが、毎回競技の内容は変わります!
私中嶋も選手として5年以上のキャリアの中で出場してきた試合では、種目/器具/重量/ルールなど同じシチュエーションだった事は一度もありません!
軽めの重量設定だと思ったら距離が長かったり、メドレーといって複数の種目の組み合わせだったりバリエーションは様々です。
種目内容をしっかり理解し、対策を考えトレーニングを行なう事が攻略の近道です!
例:種目がログプレスの場合
・器具
ログの直径、グリップ幅など特にパフォーマンスに影響のある部分は主催者や、過去に同じ試合に出場したことのある方などに聞いてみましょう。
ただ、知ったところでその器具でトレーニングが出来る環境でなかった場合、ぶっつけ本番になりますので、トレーニング法の工夫と覚悟が必要です。
難しい種目ですが、それが面白いところにもなります!
ちなみに中嶋のデビュー戦は全5種目中、実際の試合に近い形式で練習できていたのは1種目だけでしたが、無差別級で3位になる事ができました!
・ルール
最大の回数or重量
回数の場合は制限時間内での1回勝負
重量の場合は試技が成功すれば指定された幅で重量の上がっていくラストマンスタンディングというスタイルや、パワーリフティングのように3回の試技で自身の申請を元に、最大重量を狙うスタイルなど様々です。
最低スタート重量/ラストマンスタンディングなどルールの記載があります。
どちらの場合も基本的にクリーン&プレスで1回となりますが、中にはプレスのみの回数(クリーンは1度すれば良い)を競ったりする場合もあるので、成功判定基準などルールの確認が必要です!
使用重量は階級によって変わります。
また回数の場合、制限時間は60〜90秒がほとんどですが、これは全速力で動き続けるのは困難な長さのためペース配分が必要になることもあります。
設定重量と自身のベスト記録を照らし合わせて、状況に応じた作戦が必要になるのもこの競技の面白いところです!
個人的には大会の要項を見ながらこのようなイメージトレーニングをするととてもワクワクします!!
階級が決まり、種目など確認し、覚悟が決まったら
レッツエントリー!!
エントリー後
立てた作戦を元に、試合に向けたトレーニングを開始しましょう!
遅くとも2ヶ月前くらいにはエントリーを完了し、トレーニングを始めるといいと思います。
ベストな方法は大会と同じ器具を用意し、同じ形式のトレーニングを行う事ですが、なかなかそれは私も含めて難しい部分があります。
それぞれの種目に求められる特異的な要素を理解し、トレーニングプログラムを作成しましょう。
例:ファーマーズウォークのトレーニングの場合
・スタート=デッドリフト動作
→トラップバーデッドリフト/ダブルオーバーハンドスナッチグリップデッドリフト
・キャリー=グリップ/不安定性
→ビハインドバーベルホールド/トラップバーorダンベルホールド&マーチング(その場足踏み)
・想定距離=30m前後想定
→ セット当たり最低20〜40sec
試合直前
ストロングマントレーニングは非常にハードです。
充分に筋肉も神経系も回復させて試合に臨みましょう。(そこまでにしっかりトレーニングが出来ている前提ですが)
期間としては1週間前目安。
試合種目やその対策としていたメイン種目それぞれに刺激を入れる程度にしておきましょう。
・設定重量に対して余裕がある場合
例:ログのMaxが120kgで、試合が100kg/回数 /60sec
→ 目標回数5回→12秒につき1repの想定ペースで2〜3reps or 85kg〜100kgで1rep
・設定重量に対しMaxがギリギリか少し下回っている場合
例:ログのMaxが100kg前後で、試合が100kg/回数 /60sec
→ 100kgクリーンのみ1rep&プレス85〜90kg前後で1〜2rep
試合前2〜3日は完全休養をオススメします。
試合当日
いよいよ本番!チェックポイントは
・種目間などに摂れる軽食、吸収の早い炭水化物など
・ウォーミングアップ時間の確保/大体の試合のタイムスケジュール
・ルール最終確認
補食
ストロングマンの試合は、一つでもキツい種目を全力で、かつそれを1日に4〜5種目ほど行う為、練習以上に超ハードです。
選手の休憩や、準備の都合など合わせると種目間が30〜40分近く空くことも多いので合間に炭水化物の補給が必須です。
ウォーミングアップ
またストロングマン器具はバーベルの様に汎用性のあるものでは無いため、ウォーミングアップも試合で使用する器具1つを選手間で交代で行う事がほとんどです。
競技開始前
全体的に身体を暖めるウォーミングアップ→普段行うストレッチや、コアアクティベーションなど
競技開始後
実際器具に触る→まずは空の状態で器具チェック、スタートポジションなどの確認、例えばヨークキャリーは身長に合わせてバーの高さを変更できるので確認をする。
基本的には触り過ぎて疲れないこと!
ウォーミングアップは2段構えにしておくと、時間の計算がし易いです!
ルール確認
ウォーミングアップを始める前のタイミングでルールミーティングが行われます。
試技を始める、回数のカウント、終わるタイミングは全てジャッジからのコールを元に行われます。
そのタイミングなどを確認し、意思の疎通を図っておくと安全です。
回数カウントのタイミングをよく理解せず、ノーレップを取られてしまう事だけは避けましょう。(経験談)
最後に
試技の場に立つと全てが違った景色に見えます。
目の前の器具/重さがその日初めて体感するもの、と言うことも少なく無いと思います。私もそうでした。
〇回挙げる、〇m運ぶなど、自分がやるべき事にのみ集中し、冷静に、全力を尽くしましょう!!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
ストロングマン競技への参戦お待ちしてます!!
次回はストロングマンが身につけるさまざまなギアについてご紹介していきます。
お楽しみに!
文:中嶋健詞
Japan Strongest Unityは神奈川県横浜市を拠点に活動しています。
トレーニングを体験して見たいという方は是非一度HPやInstagramからお問い合わせ頂ければ嬉しいです。