今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。
今回は、先日行われたジャパンクラシックベンチプレス選手権大会(以下「JCB」)の結果や見えた課題などについて書いて行こうと思います。
<目次>
・大会結果
・試合を通して見えた課題
・シングルベンチプレスの試合へ出る理由
・まとめ
大会結果
まず今回のJCBの結果から。
180kg 成功
190kg 失敗
195kg 失敗
記録:180kg 9位
という結果になりました。
記録として180kgというのは全くよくありませんでしたが、学びの多い試合となったのでとても良い経験となりました。
第一試技の180kgは無難に成功。
第二試技ではベストタイ記録の190kgを申請。
w-upから調子は良く、192.5〜195kgは狙えるという感覚でした。
ですが、第二試技の190kgは挙げ切るも左手が一度下がり、失敗試技となりました。
これは完全に技術的なミスが原因だったので、詰めの甘さを痛感しました。
第三試技の申請重量は、少しでも順位を上げる事と少ない可能性の中で3本目を取る事へのトライを選択し、同重量ではなく5kgアップの195kgを選びました。
結果は途中までは押せたものの、差しきれず潰れ失敗。
技術、力共に及ばずといった内容でした。
試合を通して見えた課題
今回の試合を通して見えた一番の課題は「高重量での試技の精度」です。
自身の記録の98〜103%前後の強度で如何に的確に試技が出来るか。
今回他の出場者を見ていても、特にその点が印象に残りました。
優勝候補の選手でも練習通りの重量が成功できていないといったケースも多くあったと思います。
私の場合、現在のピーキングやストレングスブロックなどのトレーニングでは、そこまでの強度で練習をすることはなかったので、試合で決めきれなかった大きな要因だと感じました。
特に、RPEベースの練習だとその強度までは行わない場合が多く、コンディションは上がっていても技術や心理的な面からMAX outの重量などでミスが出る事があるとも感じました。
加えて、試合では審判のコールに沿って試技をしなければいけませんし、細かいルールもあります。その中でベストな試技をする為には「ある程度の強度での試技精度」を高めるという事に重きをおいた練習も時には必要になるのではと考える様になりました。
シングルベンチプレスだけでなく、スクワットやデッドリフトでも同様の事は言えると思います。現在は月12-13日に行われるジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会(以下「JCP」)へ向けて、その点を改善しながらピーキングに入っています。
今回の経験を元に、残り少ない期間で出来ることにトライし、2連覇という結果を掴み取りたいと思います。
シングルベンチプレスの試合へ出る理由
私が主に出場している試合はパワーリフティング(スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目)になりますが、近年はシングルベンチの試合にも出場するようにしています。
その理由は
①ベンチプレッサーの方々の技術を学びたい
②ベンチプレスの重量を伸ばしたい
③パワーリフターとベンチプレッサーの交流を促したい
といった事が主なものになります。
①ですが、特に日本のベンチプレッサーは世界で見ても非常に高いレベルで競い合っています。そんな世界トップクラスの選手がいる試合に出ないのはとても勿体ないと思います。
ただ試合をするだけでなく、試合までの過ごし方やアップの仕方、少しずつ交流ができれば普段の練習の目的や意識、プログラムの組み方、フォームのイメージなど、試合に出て競う事でしか得られない生の情報や学びが沢山あります。
JCBなどの全国規模の大会に初めから出場するのはハードルが高いですが、目指す価値やメリットは計り知れないと個人的には思います。
今回のJCBでも多くの選手とお話が出来てとても良い学びが多かったです。
②上記に付随する形になりますが、私はベンチプレスが一番の弱点でした。
スクワットとデッドリフトが伸びていっても、ベンチプレスの記録幅でどうしても差が付き、後手に回らざる終えないという事が多かったのです。
そこで、SBDアスリートの鈴木佑輔さんや渋谷さんにもシングルベンチに出た方がいいと言って頂き、素直にチャレンジしようと思ったのがきっかけです。
やはり強くなってから出るのではなく、試合に出るから強くなる、JCBを目指すから記録がついてくる。という流れになります。
少しずつでも練習の方法やフォームについてなど、今までよりもアンテナが敏感になったり、取り組む意識が変化しています。
まだまだトッププレッサーには及びませんが、あと2年前後で近いところまでは行きたいと目標を新たに出来た今大会でした。
そして、1番の目的とも言えるのは③です。
近年シングルベンチの試合、パワーの試合双方に出場していますが、どちらも出場している選手はかなり少ない印象です。
パワーリフター、ベンチプレッサーにもっと交流が生まれると双方向で良い影響があるのではと思っています。
特にパワーの選手はベンチプレスを苦手とする選手が多い印象なので、大会での交流から私の様に技術の向上に繋がったり、人との繋がりの幅が広がる事が大きなメリットではないでしょうか。
また、パワーリフティングの競技人口も近年増加傾向なので、そこからシングルベンチプレス大会への出場者がより増えると、大会の盛り上がりやベンチプレッサーの価値や凄さも現在より更に増していくと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事で少しでもシングルベンチの大会へ出てみよう!と思ってくれる選手がいたら大変嬉しく思います。
また、今回のJCB参加にあたりご声援頂きました皆様、本当にありがとうございました!
次回JCPもベストを更新出来る様に頑張ります。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。
栗原 弘教
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東京都 Training-studio Master Mind所属
公式大会ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット 290kg
ベンチプレス 185kg
デッドリフト 275.5kg
トータル 745kg
シングルベンチプレス 190kg
戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 出場6回 最高位 優勝
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 出場2回 最高位 8位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位
2021 ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
2021 東京都パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット280.5kg、デッドリフト275.5kg 東京都記録樹立
2021 東京都ベンチプレス選手権大会 105kg級 優勝