このエントリーをはてなブックマークに追加

産後からの全国大会出場への道のり(全国大会出場編)

読者の皆様、こちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。
SBDコラムニストの福田彩です。

今回は産後から全国大会出場への道のり(全国大会出場編)のお話を書かせていただきたいと思います。

標準記録獲得後

埼玉県パワーリフティング選手権大会終了後、JCBまで約8週間前でしたので、練習のお休みやベースアップの練習は設けずそのままJCBに向けて練習を開始しました。

メニュー内容

以前の練習方法は常に試合と同じ様にパワーフォームで、ブリッジをしっかり組み、81cmライン人差し指にかかるような手幅で練習を行っていたのですが、腰や手首の負担が酷く、思うような練習が出来ない期間がよくありました。
そして今は育児をしながらなので練習時間が限られてくるのと、完全母乳や、夜間授乳もあるせいか、眠気があったり中々疲れが抜けないので、極力短い時間で内容量のある練習メニューを心掛けました。

[大会8週間前~3週間前]
(この期間の練習メニューポイント)

※足上げベンチメインで腰手首の負担を軽減しながら自力や押す力、背中の使う感覚を上げていく。
※試合の時の臀部の安定感や脚の力が落ちないように補助トレーニングとして取り入れる。

(練習頻度:週3~4回)
◎週1回
・パワーフォームの試合形式でその日持てるMAX重量を持つ
・81cmライン中指の足上げでセット練習
◎週1回
・MAX重量を持つ日の次の練習は軽めの重量で81㎝ライン中指足上げでセット練習か脚、尻トレ
◎週1~2回
・81㎝ライン中指足上げでセット練習

(練習メニュー例)
◎その日の持てるMAX重量を持つ日
・試合形式コール有(82.5kg)
・81cmライン中指の足上げ(65kg×6rep×4set)
◎軽い重量を持つ日or尻・脚トレ
・81cmライン中指足上げ(60kg6rep3set)
・尻脚トレ
ダンベルブルガリアンスクワット(8kg×15rep×3set)
バーベルルーマニアンデッドリフト(40kg×15rep×3set)
チューブアブダクション(15rep×3set)
◎セット練習の日
・81cmライン中指足上げ(65kg×6rep×4set)


(動画1 65kg×6rep)

[大会2週間前~1週間前]
(この期間の練習メニューポイント)

※パワーフォームで試合形式を入れていき、上半身と下半身の連動性を紐付けていく。
※メニューに足上げを最後まで入れることで自力と押す力が弱くならないようキープしておく。

(練習頻度:週3~4回)
◎週1回
・試合形式パワーフォームでその日持てるMAX重量を持つ
・試合形式パワーフォームでセット練習
・81cmライン中指足上げでセット練習
◎週1回
・MAX重量を持つ日の次の練習は軽めの重量で試合形式のセット練習
・軽めの重量で81cmライン中指の足上げでセット練習
◎週1~2回
・81㎝ライン中指足上げセット練習

(練習メニュー例)
◎その日の持てるMAX重量を持つ日
・試合形式コール有(87.5kg)
・試合形式コール有 (77.5kg×2rep×2set)
・81cmライン中指足上げ(65kg×6rep×4set)
◎軽い重量を持つ日
・試合形式コール有(70.0kg×2rep×2set)
・81cmライン中指足上げ(50kg×6rep×2set)
◎セット練習の日
・試合形式コール有(77.5kg×2rep×2set)
・81cmライン中指足上げ(60kg×6rep×2set)


(動画2 87.5kg×1rep)

[大会6日前~2日前]
(この期間の練習メニューポイント)

※疲労を抜いていく期間。
※重量というより感覚を感じることと試合の流れの重量を練習しておく。

(練習頻度:週2回)
◎大会5日前
・試合と同じ流れのアップ重量を持つ
・第一試技の重量を持つ
◎大会2日前
・試合と同じ流れのアップ重量を持つ
(練習メニュー例)
◎大会5日前
・20kg×2~3rep-40kg×2~3rep-60kg×2~3rep-70kg1rep
・77.5kg1rep
◎大会2日前
・20kg×2~3rep-40kg×2~3rep-60kg×2~3rep-70kg×1rep


(動画3 70kg×1rep)

今回のメニューは今の自分にハマったみたいで、腰や手首の痛みが出なかったことや、大会が近づくにつれて重量が上がり、最終練習日は87.5kgまで持てたので、

重量設定としては、
第一試技77.5kg
第二試技82.5kg
第三試技87.5kg or 90.0kg
で大会に挑もうと思っていました。

大会までの心境

出るからにはしっかり練習もやりたい、勝ちたい、という気持ちが体の状態を上回り無理しそうになる時が多々あり、日々の生活や練習で気持ちも体も一杯いっぱいになった時が多々あったのですが、自分にとって頑張るのはいいけど自分を苦しめるのは違うと思い、
・まずは出場すること
・前の自分に勝つ
47kg級で82.5の時のフォーミュラやIPFポイントを上回るとすると検量50kgの体重で90kgを持ち上げるとIPFもフォーミュラも上回るので、
まずはそこを越えられるように試合までに持っていければいいなと思うようにしました。
そうすると自然と力も程よく抜けて、心身ともにバランスの取れる気持ちの持ち方になりました。
人それぞれ大会までの気持ちの持っていき方がありますが、私の場合には自分と戦うスタンスの方が性に合うみたいです。

JCB出場断念

練習を頑張ってきたので自分の成果を表現したい気持ちがありとても出場したかったのですが、大会前に大会開催場所の福岡でコロナの緊急事態宣言が出たので、今回は娘のことを考え欠場しました。
正直練習の成果を出せないのはとても悔しかったですが、娘の事を考えると、この選択肢でよかったのだと思います。

さいごに

大会は出場できませんでしたが、もしかしたら自分を越えられていたのかな?と思うと、これからの自分自身に楽しみですし、自分を越えられるように練習に励む糧が出来ました。またのチャンスで自分を超えたいなと思います。

◆コラム執筆者

福田 彩
埼玉県ストロングライン所属
B.T.S.L FITNESS

ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 82.5kg
・デッドリフト 137.5kg
・シングルベンチプレス 82.5kg

戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会 47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級2位
世界クラシックベンチプレス選手権大会 47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門 47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級9位
【2020年】
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 47kg級3位

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する記事