みなさんこんにちは。
今回よりコラムを掲載させて頂きます、一般男子74kg級の比嘉善浩と申します。
SBDコラム初掲載に先立ちまして、まず最初に私の自己紹介とこれまでの生い立ちなどを紹介したいと思います!
[自己紹介]
沖縄県出身の32歳
小学校3年生から陸上競技を始め、中学校ではハンドボールとスケートボードに没頭、高校時代は専門的に陸上競技(やり投げ、4×100mRの第一走者)に打ち込んだ!
高校時代に人生を変えるような恩師と出会い、日本一の練習量と毎日練習日誌を活用した自己分析、技術の追求、練習記録の管理を行った。
しかし全国インターハイ13位、国民体育大会10位、と全国の表彰台に上がる事は出来なかった。
その後、高校3年の11月にこれまでトレーニングしてきた種目(スクワット、ベンチプレス、デッドリフト)の合計で競いあうパワーリフティング競技の存在を知り県大会へ初出場する。
(2023年現在、今年で競技歴14年目)
現在は地元沖縄で消防職員として勤務しながら、競技者としても活動している。
[これまでの経歴]
2014年全日本Jr.優勝
ジャパンクラシック一般男子74kg級で通算優勝3回(2015.2017.2018)
2017年世界クラシック(ベラルーシ)にてスクワット世界記録、トータル4位
2018年世界クラシック(カナダ)にてスクワット世界記録、トータル3位
ベスト記録
– スクワット292.5kg
– ベンチプレス165kg
– デッドリフト307.5kg
– トータル745kg
【パワーリフティングを始めよう】
パワーリフティングはスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目から構成される競技で、近年フィットネス業界においてはBIG3と呼ばれています!
パワーリフティングと聞くとなかなかパッと思い浮かばない方も多いかもしれませんが、実際には多くのトレーニーがスクワットやベンチプレス、デッドリフトの種目でトレーニングをされているのを目にすると思います。
この3種目をトレーニングする事により各種目の挙上重量はもちろん、全身の主要な筋肉をバランスよく鍛える事ができると言われており、筋力、瞬発力、筋持久力などが総合的に養われます。
全身をフルに活用するエクササイズのため、強い身体を作る事ができ各スポーツのパフォーマンス向上、補強種目の一環として、怪我のリハビリなどにも大きく繋がるメリットがあります。
年齢、性別問わず10代くらいから生涯スポーツとして長く続けられるのも魅力の1つです。
また、パワーリフティングの醍醐味として、挙上した重さを記録(数字)として目に見える形で成長を感じられるという点も大きな特徴です!
さらに、頑張ってトレーニングをした分の成果が記録として明確にあらわれる競技なので、その点も魅力の1つです。
実際に競技で行うパワーリフティングは3種目で挙上した重さの合計で競い合います。
球技などでは味わえない達成感や喜びなどもパワーリフティングの魅力だと私は感じます。
さぁーみなさんもパワーリフティングの世界へ飛び込んでみませんか!?
【トレーニングノートをもっていますか?】
持っていない方はこの際、まず1冊作ってみる事をオススメします。
また、作ったはいいけどどういった内容を書けばよいのか?、もしくは3日坊主になってしまうという人のために今回、書き方の一例を伝授したいと思います。
例、
1.トレーニングの日時(◯月◯日◯時)
体重、食べたもの、摂取サプリメント
2.気持ち的なモチベーションを0〜100%であらわす
怪我や筋肉痛などを含めた体調を0〜100%であらわす
3.練習内容(デッドリフト100kg ◯回◯セット)
技術や感覚的な事を自分の言葉に変換し書き留める
※感覚が良かったときも悪かった時も書くようにする
4.試合での成功例、失敗例
5.自分の各種目MAX表を作る!
6.◯◯の大会までに◯◯kgを目標にし優勝したい、などの具体的な目標も書いておく
7.パワーリフティングやトレーニングを通しての夢や目標を書く!
8.現在の自分の実力を把握できているか?
自分の階級の日本記録や世界記録も調べて書く!
この練習ノートを書くにあたって1番大切なのは、毎日継続して書き続ける事です。
毎日細かく書く必要はありません。
上記の1〜3は出来れば書いて欲しい内容ですが、時間がない時は最低練習メニューだけでも書き留めておきましょう。
これをする事により1日1日の練習に価値をもたす事ができ、それが自信となります。
技術的な事や感覚的な事については、新たな発見があった時やフォームなどの良い感覚が言葉に出来そうな時には書き留めましょう。
人間は忘れる生き物ですので、良い感覚も悪い感覚も振り返りができるように、まずは書ける範囲で書きましょう!
毎日継続する事でこれが蓄積され、自分だけの信頼できるデータとなり、毎日の心技体を自分自身と対話する事により、目標に向かっての原動力やモチベーションの維持に繋がりますので、私は是非みなさんにもトレーニングノートの活用をオススメしたいとおもいます。
研究熱心で日々自己分析ができ目標に貪欲な選手は日々成長でき、その結果周りといろんな差ができ強くなれるということです。
【強くなるための環境づくりの3要素+α】
トレーニングする場所や環境が近くにあるか?
無ければ少し時間をかけてでも強くなるために通ったり、初期投資はお金がかかりますが私のようにホームトレーニングジムを作る事もオススメです!
私の知り合いで、パワーリフティング競技にすごく熱のあった友人はパワーリフティングが生活の一部くらいの気持ちでやってた選手なので、環境が良いジムの近くに引っ越し、トレーニングができる環境を自分自身で作ったという例もあります。
ホームジムについて私からのアドバイスです。
私も最初はジムに所属し通いながらトレーニングを行なっていましたが、仕事の都合上、今後忙しくなる事も予想されたので少しずつ器材を買っていき、ホームジムを作ろうという事に至りました(当時トータル60万〜80万)。
ホームジムのメリットとして遠いジムに通う必要がなくなる事や、自分のやりたいタイミングでトレーニングする事ができ、トレーニング後の食事や入浴のリカバリーが迅速に行えるというメリットがあります。
デメリットとしては1人でトレーニングが続かない方や、モチベーションが上がらない方にはホームジムは不向きかもしれないので、自分のトレーニング場所(環境)はどうあるべきなのか?を考え自分に合ったところを探してみてください。
2.練習時間
1日何時間練習にあてられるか!?
私の経験と個人的な考えですが、若い時は時間もたくさんあり回復も早いので、怪我のない範囲でとにかく練習量をやり込む事が強くなるために1番大切だと思います(貯筋)。
社会人になってくると仕事や家庭的な事で忙しくなって、必然的に練習時間の確保が難しくなる時期が来る事もあります。
要するに、練習時間は学生なのか社会人なのかで大きく左右されるかとおもいます。
私自身、学生時代は学業と競技に没頭できる環境だったので、毎日の練習時間は平均で4時間〜5時間くらい使えてる時期もありましたが、国家試験前や採用試験前、就職して1年目の時は、隙間時間の数十分や1時間と決めて練習をやっていた時期もありました。
また、現在子育てしながらのトレーニングは子供の事を優先的にやってその後なので、夜中から睡眠時間を削ってやったり、今はあまりないですが早朝に早起きしてトレーニングをする方法などで練習時間を確保する必要があると思います。
自分自身でどのように練習時間を確保しトレーニングをしていくか?という事をみなさんも考えてみて欲しいとおもいます。
3.指導者について
指導者は、いるかいないかで大きく分かれると思います。
いる場合は、その指導者がただのトレーナーなのか?、指導者が日本チャンピオンレベルなのか?、指導者が世界チャンピオンレベルなのか?、によって受けられる技術やテクニックの内容にも違いがあると思います。
※選手として強い選手はトレーニングに対する考え方や引き出しが多いですが、必ずしもその指導者の考え方やフォームが自分にもマッチするとは限らないという事です。
自分の考えばかり偏った指導をする指導者は良い指導者ではないと思います!
あと、競技実績のある指導者の指導については、自分の中でなんか違う気がするなぁーと思っても影響力が大きいので、その時には調子を崩したり場合によっては怪我の可能性などもあるので注意が必要です!
良い指導者とは、いろんなタイプの選手に対してそれぞれに合った適切な指導ができているか?という部分がポイントになるかと思います。
良い例で言えば、4スタンス理論のマスター級トレーナーなどは、それぞれに合ったタイプ別の考え方や身体の動かし方の指導を行ってくれたりもするので、そのようなトレーナーのいるジムでの指導やパーソナルの受講はオススメです。
指導者がいない場合について
私自身も競技を始めて最初の頃はほとんど我流で行っていました。
自分自身でやりたいように、YouTubeで動画から見て学んだり、強い選手のマネをしたりという経験もあります。
最近ではInstagramで海外の選手の練習風景や考え方なども簡単にアクセスして情報を得られる時代になってるので、我流でやるのも間違いではないですし、必ずしも指導者をつける必要もないかと思います。
ですが、そもそもフォームが間違っていないか?、怪我のリスクがあるようなフォームなのか?、そのやり方で今後も強くなれるのか?、など自分1人の考えだとそのような状況に陥るデメリットもありますので注意が必要です。
近年、県外や海外の指導者からのオンラインコーチングなども普及してきているので、そのような指導の受け方もオススメです。
上の3要素で大切な事は
強くなるための環境だったり時間の使い方だったり情報収集だったりは、自分の目的が明確になり本気になってやれば、いくらでも現状を変えられると言うことです!
+αの食事と休息について
④バランスの良い食事、良質なサプリメント。
⑤良質な睡眠と睡眠時間の確保、整体や温泉などで身体のリカバリーやケアーを行う事。
この+α部分の④食事⑤休養で、強くなるための5要素になると考えています。
年齢が若い時は④食事と⑤休養について私自身もあまり深く考えなくても強くなれたし、すぐに回復できましたが、30代を越えたあたりから、忙しくなると思うように睡眠時間が取れなくなったり、肉離れなどの大きな怪我をしてから休息やケアーの大切さを痛感させられたりするようになりました。
【私のモットー3要素】
これは競技においても、仕事においても、人生においても大切にしてる3つのモットーについての紹介です。
一人の人間として、競技者としてこれまでも、これからもずっと大切にしていきたい言葉なので紹介させて下さい。
1.感謝(トレーニングや競技が出来ることに感謝の気持ちを忘れない)
2.努力(誰よりも練習、そして追求、コツコツは勝つコツ)
3.向上心(現状に満足せず、常に高みを目指す)
みなさんも日々の日常の中から自分自身を高めたり、自分を奮い立たせるような言葉、大切にしてるモットーなどをノートに掲げてみましょう🔥💪
【最後に】
今回第1回目のコラムという事で、パワーリフティングをはじめるにあたって競技の魅力や高いモチベーションを維持するためのノートの活用について、強くなるための3要素+α、私のモットー3要素などについて書かせて頂きました!
今回なぜこのような内容を第1回にもってきたかと言うと、スクワットのフォームやテクニックがどうこうの前に、この競技をやる意味だったり、目標達成するための過程だったり、競技と真剣に向き合うという根底にある基礎(考え)が1番大切だと思ったのが理由となります。
言うならばパワーリフティングやBIG3をやっていく上での心構えや精神論、根性論といったところでしょうか?
今回の掲載内容にあってはあくまでも私個人の経験や主観に基づいた内容であり、各個人の生活スタイルや年齢によっても優先順位や考え方が大きく異なる事はあるかと思いますが、1つの考え方として捉えてもらえたら幸いです。
このコラムを読んで頂いた皆様には、パワーリフティング競技に対する考え方や心構えのプラスになれば私も嬉しく思います。
最後までコラムを読んで頂きましてありがとうございます。
文:比嘉善浩
2014年全日本Jr.パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2015年ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2017年ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2017年世界クラシックパワーリフティング選手権大会74kg級4位、スクワット世界記録(270kg)
2018年ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2018年世界クラシックパワーリフティング選手権大会74kg7級3位、スクワット世界記録(276kg)
2023年ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会74kg級2位
ベスト記録
スクワット292.5kg
ベンチプレス165kg
デッドリフト307.5kg
トータル745kg