今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。
今回は、ジムや自宅にも多く置いてあるツール「ストレッチポール」を使用した簡単にできて効果の高いコンディショニング方法をご紹介しようと思います。
<目次>
・胸郭、胸椎可動域の重要性
・胸郭ローリング
・T-spineストレッチ
・胸椎モビリティ
・まとめ
胸郭、胸椎可動域の重要性
胸郭や胸椎の可動域はトレーニングを行なっていく上で、とても重要な要素になってきます。トレーニング以外でも、普段の姿勢や呼吸などに大きく影響を与える部位なので、やはり重要度は高いです。
トレーニングでは、BIG3のそれぞれの種目において重要な役割を果たします。
スクワットではバーベルを担ぐ際、動作中を含めて常にニュートラルポジション〜若干の伸展位をキープしなければいけません。これが崩れると腰や首を痛める事にも繋がり兼ねませんし、最適なフォームをとる妨げにもなりえます。
ベンチプレスでは、ブリッジを組む際にとても大きく影響するのは明白でしょう。
特に、パワーリフティング競技をしている選手やより高重量を求めてトレーニングしているトレーニーは重要度が高くなるでしょう。胸椎の可動域は腰椎や頚椎にも影響を及ぼしているので、腰や首を痛めている方は胸椎が硬い事で起こっているかもしれません。
デッドリフトでは、主にファーストプルに入る際、動作中において胸椎のニュートラルポジションがしっかりとキープできているか、という点は重量を伸ばす為だけでなく怪我のリスク軽減という観点においても非常に大切になります。
加えて、上記3種に共通して胸郭の動きが悪い場合は、呼吸が上手く出来ずに腹圧の低下を招く事も考えられます。
普段デスクワークを長時間行なっている方や、身体が丸まった状態をよくとる様な方(スマホ姿勢なども)は胸郭、胸椎の可動域などが低下している事が考えられるので、トレーニングと同様に可動域を向上させる事にも重点を置く様にすると良いかと思います。
胸郭ローリング
ストレッチポールの上に横になります。
両手をクロスさせ、対側の肩にタッチした状態を作ります。
この時、背中は軽く丸まり肩も少し前に出た状態となります。
その状態から、ゆっくりと上体を左右交互に捻ります。
最初は小さく、徐々に大きく捻る様にしましょう。
呼吸は捻る時にゆっくりと吐きながら行います。
この時、腰が反ったりお尻が横にスライドしたり(身体がくの字にならない様に)しない様に注意して行なってください。
回数は特に決まっていないので、捻れる幅が大きくなって詰まりなどを感じなくなったら終了してください。
T-spineストレッチ
写真の様に横向きになり、上の脚を90度程度曲げてストレッチポールの上に乗せます。
手はストレッチポールよりやや上に重ねて置きます。
その状態から、ゆっくりと息を吐きながら上に重ねた手を開いて行きます。
腕や肩は出来るだけリラックスした状態で、コアは腰を反らない様に力を入れた状態で行う様に意識してください。
また、出来るだけストレッチポール上の脚が浮いたりズレたりしない様にも注意してください。動作中は、コアや内転筋は胸椎とはカウンターで働くので、トレーニング動作などに活かす為にはこの点も非常に重要な要素になります。
目線も開いていく手の指先を追っていく様にすると頚椎の回旋までスムーズに出す事が出来ます。
回数は特に決まっていないので、捻れる幅が大きくなって詰まりなどを感じなくなったら終了してください。
胸椎モビリティ
写真の様に、ストレッチポールを胸椎に対して直角に置きます。
置く位置ですが、肩甲骨の下部辺りを目安にしてみてください。伸展可動域が低下している箇所に当てるのが基本なので、少し脊柱全体をポールでゴリゴリ当てて硬い箇所などを明確にするのが良いと思います。
手で軽く頭を支え、腰が反らない様にお腹に力を入れます。
その状態からゆっくりと息を吸いながら胸椎の伸展動作を行い、繰り返します。
動作はかなり小さな動きなので、頭や首で動かそうとしない様に注意が必要です。
5〜10回程度行い、一つ上の胸椎へ移動させ同様に伸展動作を繰り返して行きます。
全体的に詰まりや違和感がなくなれば大丈夫です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
身近にあるストレッチポールを使って動かし難く、固まりやすい胸郭、胸椎のコンディションを良好に保ちながら、怪我なくトレーニングを行なって頂きたいと思っています。
使用重量の向上や競技力の向上にも繋がって行きますので、コツコツと少しずつ取り入れて頂けると幸いです。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
また次回もよろしくお願い致します。
栗原 弘教
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東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット 270kg
ベンチプレス 165kg
デッドリフト 260kg
トータル 695kg
シングルベンチプレス 170kg
93kg級
スクワット 240kg
ベンチプレス 150kg
デッドリフト 250kg
トータル 635kg
戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高5位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立(当時)
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位