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パワーリフターがトレーニング前に行った方が良いストレッチ&コンディショニング③

今月もご覧頂きましてありがとうございます。
SBDコラムニストの栗原弘教です。

今回は、前回に引き続きパワーリフターやBIG3をメインにトレーニングしている方が行った方が良いストレッチとコンディショニングについて、私が日々必ず行っているものを元にご紹介して行こうと思います。

<目次>
・各部位のアクティベートエクササイズ
-僧帽筋中部
-僧帽筋下部
-内側広筋
・脊柱骨盤下肢のモビリティドリル
・まとめ

 

各部位アクティベートエクササイズ

僧帽筋中部、下部
☆3種共に重要

チューブを使用したT、Yエクササイズです。
まず、チューブを鳩尾から臍の高さに持ち、そこからアルファベットのTとYの文字を作る様に腕を万歳していきます。

この時、チューブは薬指、小指側で握る様にしましょう。
親指、人差し指メインで握ってしまうと上腕が内線してしまい、上手く肩甲骨や僧帽筋中部下部、菱形筋を使う事ができません。

Tエクササイズは主に僧帽筋中部、菱形筋がターゲットです。
手の甲が常に真後ろを向いた状態、肘がしっかりと伸びた状態で腕を動かす様にしましょう。

多く見られる間違いは、腕が内線したり肘が曲がったりする事です。
加えて、首をすくめる様に肩が上がってしまっているケースもありますが、上手くターゲットの僧帽筋中部、菱形筋を使えていない代償動作になるので、鏡などで注意深くチェックしていく事をおすすめします。

Yエクササイズは僧帽筋下部、ローテーターカフ(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)、菱形筋などがターゲットになります。

注意事項は全てTエクササイズと同様になります。
Yエクササイズの方が、より代償動作が出やすいので適切に行える様にチェックしながら取り組んで見てください。

どんなスポーツの選手でもこのエクササイズはとても有効になる(*特に投球動作などがある球技など)ものなので、ぜひウォーミングアップやトレーニング、リハビリの一貫として取り入れて頂けると良いかと思います。

内側広筋

☆3種共に重要
☆特にスクワットとスモウデッドリフトで重要

ターミナル・ニーエクステンションという種目です。
やや強めのループバンドやチューブをラックや柱、マシンなどに括り付け、上の写真の様な姿勢をとります。

バンドの位置は膝やや上あたりが基本です。

このスタート姿勢から、下の写真の様に前足の踵を地面に押し付ける様にして膝の伸展を行います。
この時、太腿にしっかりと力を入れ内側広筋に収縮感が出る様に意識をしていきましょう。

初めのうちは中々収縮感を感じられない人も、バンドの負荷や回数、セットを増やしていくとしっかりと感じられる様になるはずです。

動作中の状態と手はバンドを縛ってある柱などに置いておきましょう。
また、重心は常に前足に置くのもポイントです。

内側広筋が弱化して上手く機能していない場合は、スクワットでニーインしたり上手く踏ん張れなかったりしますし、スモウデッドリフトでも同様にニーインしたりしっかりと地面に力を伝える事が出来なくなっていたりします。

膝や股関節の怪我防止の為にもしっかりと動かせる様に、また強化をしていく事をおすすめします。

脊柱骨盤下肢のモビリティドリル

☆3種共に重要

脊柱と骨盤(特に仙骨)を連動して動かしていくモビリティドリルです。
これは私がウォーミングアップで特に大切にしているエクササイズの一つです。

理由としては、一つ一つの筋肉や関節を緩めたり動かす事も勿論大切ですが、連動して動かせたり意識ができる様になる事が競技動作を行う上では更に重要になると考えているからです。

まずは上の写真の様に四つ這い状態から片足を前に膝を完全に伸ばし、つま先を上げ、骨盤後傾、脊柱屈曲(丸まっている)の動きをできる限り出していきます。
この時、肩が上がったりしない事。

動作は必ず仙骨から脊柱へ動きが連動して(下から上へ順序よく動く)伝わっていく事をイメージしながら行いましょう。

次に、骨盤(仙骨)前傾、脊柱伸展の動作をやはり動きの順序をしっかりとイメージしながら行っていきます。

動作中は左右のお尻の位置(坐骨)が平行からずれない事、できるだけ膝が曲がらない事、身体を左右に傾けない事(側屈しない)、手を床から話さない事などが大切になります。(身体が硬い人は膝を曲げて行ってください。)

正しく出来ている場合は、ハムストリングスの強烈な伸びや脊柱起立筋群(後鋸筋や多裂筋など含む)周辺のキツさや収縮を実感できてきます。

上の写真の場合は、腰部の丸まりが目立つので、この場合ハムストリングス、大臀筋、腹直筋のストレッチやリリースを多めに行う必要があります。

この仙骨から丸める、反るの動きをゆっくり10〜20回数セット繰り返すと、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目共通して動作が行いやすくなるはずです。

少し高度なドリルになりますが、ぜひトライしてみてください。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回まで私が普段のトレーニング前に行っているストレッチや各種ドリルをご紹介させて頂きました。今回ご紹介した物以外にもその時の身体の状態によって様々な物を入れ替えて取り組んでいるので、読者の皆さまも色々な物を試しながら最善の物を選択していって頂ければと思います。

今回の記事が、少しでもお役に立てば幸いです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します。

 

コラムニスト:栗原 弘教

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東京都 Training-studio“Master Mind”所属(https://mastermind85.com)
ベスト記録(ノーギア)
105kg級
スクワット  280kg
ベンチプレス 170kg
デッドリフト 260kg
トータル   710kg

シングルベンチプレス 170kg

93kg級
スクワット  240kg
ベンチプレス 150kg
デッドリフト 250kg
トータル   635kg

戦績
ジャパンクラシックパワーリフティング大会 出場5回 最高5位
2017 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 93kg級 3位
2018 東京都秋季パワーリフティング選手権大会 105kg級 優勝
*スクワット265kg、トータル685kgの東京都記録樹立
2019 ジャパンクラシックパワーリフティング大会 105kg級 5位
2019 東京都春季パワーリフティング選手権大会 105kg級 3位
2019 いきいき茨城ゆめ国体 パワーリフティング 105kg級 4位

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