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パワーリフティングの魅力②

読者の皆様、今月もこちらのコラムに足を運んで頂きありがとうございます。
SBDコラムニストの福村彩です。

SBDコラムニストとして数カ月が経つ中、様々な方にお声をかけて頂きとても嬉しいです。皆様の優しさに救われています。まだまだ未熟者ですがこれからもよろしくお願い致します。

前回パワーリフティングを通じて自分自身を見つめるきっかけをお話ししましたが、
今回は、パワーリフティングを通じてどの様に“自分自身を見つめているのか”“探求しているのか”、そして“自分が表現したいもの”を綴らせて頂きたいと思います。

【 自分自身の見つめ方 】

私は感受性が強いこともあり、感情移入しやすく感情が高ぶると周りが見えなくなってしまいます。
以前アマチュアボクシングで試合をしていた時には、相手の感情に支配され相手のペースになる事や、自分の感情があふれ、まわりが見えなくなり本来の動きが出来ないことが多々ありました。この性質は微細な感覚や大きな感動を味わうことが出来ますが、選択の連続がある場面では感情の選択ではなく、思考と感覚を駆使して今出来る事を繰り返していくことが必要であると思っています。

練習を通して“感情”を見つめ、“感覚”“思考”を使えるスキルを身につけたとしたら、試合でも日常でも見えてくる視野が広くなるのではないかと思っています。

上記を踏まえ、練習などでは下記の3点に分類し意識を持ちながら自分自身を見つめています。

◎感覚

ただ練習やトレーニングをするのではなく、体の隅々に意識を持っていき、その都度どこへ意識を持っていくと軽くなるのか、重さが乗るのか、位置など全身を研ぎ澄まし感じます。

自分の意識や感覚の持ち方はまだごく一部で、強い選手の物事や見えない意識の部分はとても広く、まだ見えていないものが沢山詰まっているので、五感をフルに使い常に観察していきます。

◎感情

重量があがる・あがらない、怪我からの痛みなど、湧きあがる感情を背けずその都度見つめ受け入れ、物事に冷静さを持てるよう選択していきます。

女性は生理の影響で、おおよそ1カ月の間に4サイクルの感情の変化があるので、自分が今どの様な感情になりやすいか把握しながら行います。しかし、こればかりは把握していても難しいものがあります。感情の落ち込みが激しいサイクルに突入した時は冷静さに欠けています。対策方法は今でも模索中です。

◎思考

感情を把握した後に、感覚で感じたことを事実として、コンディション・フォーム・重さの感じ方の違いに着目し、なぜ違うのかというところを掘り下げそれに沿った必要なメニューを考えます。
感覚と思考のバランスは必要ですが、思考を駆使し知識を持つことで広がりを持たせます。

これらを意識していない頃は、物事にも自分自身にも理解も愛もありませんでした。
その経験もあり、今は物事をただやるのではなく、その裏に隠されている部分が大切なのだと心から感じ、まだまだですがこの3点を意識し行うようにしています。

【 探求するために大切なこと 】

◎問い
人それぞれ何かしら物事に対して疑問が湧く事もあると思います。しかし、小さい頃から今まで、大人や社会から聞いていた事は頭の中で当たり前になり、物事に対して問いを感じない習慣になっているように感じます。

その様な思考でいる時に子供と会話をすると、私たちが当たり前と思っているところになぜ?という問いを持っています。
その様な言葉を聞くと「そこに疑問を抱くのか!」と驚かされると同時に、子供の純粋さ素直さは素晴らしく、忘れたものを思い出させてくれます。

私の幼い時を思い返すと、その様な純粋さや素直な問いは沢山あったと思いますし、今でもその時のような素直さは常にもっていたいと思うのです。
今はパワーリフティングに問いが沢山湧きあがり、幼い時の様なワクワクして楽しい気持ちでいられるので、これを突き詰めることが探究と思っています。

【 表現したいもの 】

私がパワーリフティングという競技を通じて表現したいものは、
◎競技としての美(心、体)
◎女性としての美(心、体)

◎競技 (体)
・トップへ向かうために必要な筋肉
・フォームの美しさ

競技に向かうための筋肉は想いが宿っていて美しさを感じますし、。
鍛錬したフォームは一つ一つが繊細で美しさを感じるので、フォームの美しさは重さより大切と思っています。

◎女性 (体)
・女性を象徴するお尻ウエストクビレなどの曲線や体のしなやかさ
・ファッションやメイク

競技者なので、競技に必要な筋肉が大きくなることは必然的と思っていますが、女性であるからには女性らしい体で在りたいという気持ちがあります。
強さも女性らしさも両方兼ね備えるのは難しいのかもしれませんが、競技をしていても女性らしい曲線美、自分の感じる可愛いや美しいをファッションでも表現したいと思うのです。

◎競技 (心)
論理性、計画性、洞察力、意志力、集中力

◎女性 (心)
安定性、創造性、寛容性、柔軟性、直感性

心は男性・女性、関係なく皆持っているものですが、人それぞれで感じやすい部分があると思っています。なので、感じやすい心を伸ばし発揮しながらも、男性・女性、関係なく人間という大きな表現になればと思っています。

試合中の試技だけで終わるのでなくパワーリフティングを芸術にしたい私には、
競技美×女性美は切っても切れない存在です。

前回の記事(パワーリフティングの魅力①)はこちら

■コラム執筆者
福村 彩
埼玉県ストロングライン所属 http://btsl-fitness.com/

ベスト記録(ノーギア)
・スクワット 102.5kg
・ベンチプレス 70.0kg
・デッドリフト 137.5kg

戦歴
【2017年】
さいたま市パワーリフティング選手権大会一般47kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス大会一般47kg級1位
【2018年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
世界クラシックベンチプレス大会一般47kg級5位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位
【2019年】
ジャパンクラシックパワーリフティング大会一般47kg級2位
アジアパシフィック大会パワーリフティング部門一般47kg級2位
世界クラシックパワーリフティング一般47kg級9位

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