SBD Apparel Japan コラムをご覧の皆さまこんにちは!ストロングマン競技の中嶋です。
前回のコラムに引き続き、How to ストロングマントレーニング!
今回はジムでも出来る!ストロングマン/ウーマン式BIG3!と題して、一般的なジムでストロングマントレーニングを行っていく上で考慮すべき要素をご紹介していこうと思います!
これらを抑えてトレーニングを行って行くことによってストロングマン/ウーマンとしての基礎的なフィジカルを確実に身につけましょう!
ストロングマントレーニング的「BIG3」
まずはトレーニングの主に据える種目の紹介です、私の考えるストロングマントレーニング的BIG3は下記の3種目!
・オーバーヘッドプレス
・フロントスクワット
・デッドリフト
通常のBIG3との違いはオーバーヘッドプレスとフロントスクワットです。
「押す、しゃがむ」という意味では同じこの2種目ですが、ストロングマン/ウーマン競技特有の要素に対応するため取り入れました。理由をご紹介していきます。
オーバーヘッドプレス
前回ご紹介したようにストロングマン/ウーマン競技では様々な物体を頭上に持ち上げます。
ベンチプレスもストロングマン、ウーマン競技にとって素晴らしいトレーニングではありますが、これだけではオーバーヘッドプレスを強化するのは不十分です。
シンプルにバーベルを使用したオーバーヘッドプレスを強化することが1番の近道です。
三角筋の前部、大胸筋上部エリア、上腕三頭筋を強化するのはもちろんのこと、立位でかつ、頭上という不安定な位置に持ち上げる過程で、全身のスタビライザーを刺激する事が出来る万能トレーニングです。
またストロングマン/ウーマン競技のオーバーヘッドプレス種目においては脚の反動を利用した、プッシュプレス/ジャークなどが許可されている事がほとんどです。
オーバーヘッドプレスに必要な基礎的な筋力と全身の連動性の両方を向上させるために反動を使用しないストリクトプレスと、反動を使用するプッシュプレス/ジャークの両方をプログラムに組み込む事を強くお勧めします。
フロントスクワット
皆さんもご存知の通りフロントスクワットとバックスクワットの違いはバーを乗せる位置です。
身体の前側にバーを保持することにより、大腿四頭筋により効きやすいスクワットのバリエーションとして一般的には知られていますが、それ以上に身体の前側で物体を保持した状態でスクワット動作を行うことが、ストロングマン/ウーマン競技にとって大きなメリットになります。
・オッドオブジェクトを安定させるためのスタビライザー強化
上記のオーバーヘッドプレスも含めて多くのストロングマン/ウーマン競技で利用される特有の物体は身体の前方で保持する必要があり、かつ大きく不安定で、それらの物体に下半身の力をしっかりと伝えることにより成立します。
したがって前提条件として物体を支持する強い全身のスタビライザーが必要になります。
例 アトラスストーン、タイヤフリップ 、ログプレスなど
フロントスクワットの恩恵を得られる代表的な種目、タイヤフリップやアトラスストーンのスタートポジション
スタビライザーを働かせることが出来て初めて下半身の筋力を物体に伝える事ができます。
適切なフォームでフロントスクワットを行う事によって胸椎、股関節の可動性も向上します。様々な怪我の予防にも繋がるだけでなく、アトラスストーンや、タイヤフリップ のスタートポジションにおける股関節の柔軟性、ログプレスのフロントラックポジションにおいての胸椎の柔軟性のように適切なフォームを会得する上でも必要な要素となります。
・身体の前方で物体を保持する事に必要なスタビライザー強化
・胸椎/股関節 などの可動域向上
主にこの2点の理由からフロントスクワットをお勧めします。
デッドリフト
通常のBIG3と唯一変わずラインナップされているのがデッドリフト
デッドリフト同様ストロングマン/ウーマン競技においてほとんどの物体は床に置いてある状態からスタートします。
当然ハムストリング、大臀筋、脊柱起立筋の強さは必要になってきます。
従ってデッドリフトそのものが様々な競技特有の動きに必要な基礎的な筋力トレーニングとなり得ます。
加えてデッドリフトそのものが競技に含まれる事が多々あります。
ストロングマン/ウーマン競技において使用される数少ない一般的な筋トレ種目とも言えるでしょう。
パワーリフティング競技においてのデッドリフトとの代表的な違いとしては
・リストストラップが使用可能
・スタートポジションの高さが様々
・スモーデッドリフトは禁止
などになります。
ストロングマン/ウーマン競技においてリストストラップを使用する事が出来る唯一の種目とも言えます。
より高重量、回数にチャレンジするため、かつミックスグリップを使用する事による怪我のリスクを減らすという観点から許可されています。
次回コラムでもご紹介しますが、ストロングマントレーニングではグリップ、前腕の筋力が非常に重要ですので、嫌でもグリップは強くなるのでデッドリフトにおいてリストストラップを使ったからといってグリップが弱る事は無いのでご安心を。
また、スタートポジションが床の高さでない事も多いです。
いわゆるトップサイドデッドリフトです。よく使用されるのは、スネの真ん中付近〜膝下付近です。
競技においては指定された高さで行うので選手の身長によって違いはありますが、可動域が狭くなる事により、一般的により高重量を扱う事が出来ます。様々な高さからデッドリフトを行う事により通常の床からのデッドリフトの強化にも繋がると思いますので、ぜひトレーニングに取り入れてみてください。
最後に、ストロングマン/ウーマン競技においてスモーデッドリフトは禁止です。
スモーデッドリフトだと体型によってかなり扱う重量に差が出る事があると言われている事もあり、より純粋なデッドリフト力を競い合う観点からスモーは禁止されています。
ただ、様々な高さからデッドリフトを行う事と同様、様々なバリエーションで動作を行う事は相乗効果をもたらすので、スモーデッドリフトを取り入れながらストロングマントレーニングを行う事も素晴らしいと思います。
実際、ストロングマン/ウーマン競技とパワーリフティングを兼任している選手も多く、シーズンによってフォームを使い分けながらトレーニングを行う海外選手をよく見かけます。
さて、普通のジムでも出来る!ストロングマン/ウーマン式BIG3!
いかがでしたでしょうか?
一般的なイメージとして、ストロングマン/ウーマン競技をテクニックを無視した純粋な力比べと思っている方は多くいらっしゃると思います。
しかし、バーベルより大きな物体を扱うということは、ほんの少しの動作のズレなどが大きなモーメントのズレを生む事に繋がります。
まずは動作と必要なテクニックを正しく理解し、それらに適切なフィジカル要素を強化する事が必須になります。
従って通常のバーベルを使ったトレーニングと違ってトレーニング初心者でも誰でも出来るものではないかもしれません。
だからこそチャレンジしてみたいという気持ちが湧いてくるのかなと私は思います。
今バーベルを使ってトレーニングを行なっている方、あるいはこれからバーベルに触るという方は、ぜひトレーニングにフロントスクワット/オーバーヘッドプレス/デッドリフトを取り入れてみてください!
次回は今回の続きで、次の三要素をご紹介します!
・体幹/股関節の動的安定性
・握力、上背部の筋力
・コンディショニング/筋パワー
より、ストロングマン/ウーマン競技特有のフィジカル要素に近づいていきます!
お楽しみに!
文:中嶋健詞
Japan Strongest Unityは神奈川県横浜市を拠点に活動しています。
トレーニングを体験して見たいという方は是非一度HPやInstagramからお問い合わせ頂ければ嬉しいです。