このエントリーをはてなブックマークに追加

俺の時代に欲しかった!低温調理器で鶏胸肉を美味しく食べる!

皆様新年明けましておめでとうございます。
SBDコラムニストの佐名木宗貴です。
本年もよろしくお願いいたします。

と、年始のご挨拶から入りましたがこのコラムが掲載されるのは1月末なので、もう既にみなさん正月気分など消え去り通常通りにトレーニングも再開し心地良い筋肉痛と戦いながら寒い朝にベッドから這い出す事にも慣れてきた頃でしょう。

私はと言いますとこの年末年始は多くの部活動が活動を自粛していた関係で恐らく社会人となって以来最もゆったりとした年末年始を過ごしました。

どこかに出かけても良かったのですが長男が中学3年で2月に受験を控えているという事もあり必要最低限の買い物以外はどこにも行かずひたすら家に籠っていました。

その代わりと言っては何ですが全日本柔道選手権、全国高校ラグビー、バスケットボールのウインターカップ、ラグビー大学選手権、総合格闘技RIZIN、アメリカンフットボールのライスボウル、NFL、箱根駅伝、春高バレーなどなど年末年始ならではの様々なスポーツイベントを沢山観る事が出来ました。

そんな自宅に籠る年末年始で唯一励んだことはと言えば料理でして、普段サプリメントに頼りがちなので敢えてこの期間はサプリメントをあまり摂らないようにして自分で料理をして必要な栄養素を食事から摂取するように努めました。

元々独身時代から料理は好きな方なので普通にお肉を買ってきて焼いてみたり、お鍋を作ってみたり、ハンバーグを作ってみたり、野菜スープを作ってみたり、昔の教え子から送ってもらったジビエを使った料理を作ったり色んな事に挑戦しました。

そんな中で低温調理器を使ってお肉を柔らかく調理する事にハマってしまい、高蛋白低脂肪でトレーニーに人気の食材である鶏胸肉をどうすれば一番簡単に美味しく調理する事が出来るのかを追求するようになりました。

もちろん普通に低温調理して後で味付けをしても十分美味しいのですが、調理する前の下拵えとして色んな種類の調味料で漬け置きして味を浸み込ませてからそのまま低温調理器にかけるのが一番楽だという結論に至り「いったいどの調味料で味付けするのが一番美味いんだろう?」というシンプルな疑問が生まれました。

そこで今月のコラムは年末に私が作った低温調理器を使った鶏胸肉料理についてのコラムとさせていただきます。

低温調理器について

低温調理器を購入したのは1回目の緊急事態宣言が発令されて自宅に籠っていた昨年のゴールデンウィークの頃でした。

その頃はまだ2020年のJBBFボディビルコンテストが全て中止されるという決定の前だったので私が指導する学生の中にもコンテスト出場へ向けたダイエットを継続している選手が何人かいて減量食についての話をよくしていました。

そんな中で流行っていたのが低温調理器を使った鶏胸肉料理でした。

「全然減量食が苦じゃなくなりました」
「普通に美味いです」

と学生達が話をするので「そこまで言うなら俺も買って試してみよう」と思いネットで購入しました。

THANKOというメーカーのマスタースロークッカーS という商品で送料・税込で9800円でした。

調理方法はいたって簡単で、鶏胸肉をジップロックに入れて低温調理器で60℃に設定した鍋に沈めて90分放置するといった方法でした。


食べてみると確かに肉は柔らかく仕上がり、パサパサ感も無く驚くほどに食べ易くなりました。

しかしゴールデンウィークに何種類か味付けを試したものの結局飽きてしまい夏以降は仕事も忙しかったので徐々に使わなくなりキッチンの引き出しで眠らせてしまいました。

それをまたこの年末年始に引っ張り出して今度は飽きないように色んな味を試してみたというわけです。

味付けする調味料とルール

今回色んな味付けを試すにあたり一応条件を統一しようと思い調理方法を以下の通りに統一しました。

① 皮をはいだ胸肉に何もしない状態でジップロックに入れて調味料を10~20g(肉のサイズによって微調整する、粉末のものは適量調整する)入れて良く揉み込んでから冷蔵庫で一晩寝かせる。
② 翌日(12~15時間後)冷蔵庫から取り出し低温調理器を使用し60℃で90分調理する。
③ 出来上がったら温かいうちにスライスして食べる

使用する調味料は私が適当に近所のスーパーで選んできた以下のラインナップです。


① キムチの素
② すき焼きのたれ
③ 割烹白だし
④ うどんスープの素
⑤ 中華味の素
⑥ 本つゆ
⑦ ピリ辛みそ
⑧ 塩こうじ
⑨ ご飯がススム キムチ鍋つゆ
⑩ 焼き鳥のたれ
⑪ おでんの素
⑫ 醤油とんこつ鍋の素

また公平を期する為に使用する鶏胸肉は全て激安スーパーで同じものを買ってきました。

さらに私1人が評価してしまうと単なる私の好きな味の紹介になってしまうので、私同様に年末家で大人しくしていた妻・長男・次男にも10点満点で評価していただき私も含めた4人、合計40点満点でお勧め順位を決める事としました。

第一グループ

① 桃屋のキムチの素
② エバラすき焼きのたれ
③ ヤマキの割烹白だし

お鍋の大きさの関係で一度に作れる胸肉の枚数は3枚が限界だったので3種類ずつの味を調理して試食し採点していく事にしました。

まず最初のグループですが、いきなり優勝候補というか美味いに決まってる3種を持ってきました。

私の好みでいけばキムチの素が美味いに決まっているのですが子供たちは甘い方が好きだろうからすき焼きのたれ、あっさりが好きな妻は割烹白だしではないかと予想して試食してみましたが結果は以下の通りでした。

私も知らなかったのですが実は辛党だった子供②がキムチの素に高得点を付け、逆に辛いのが苦手な妻と子供①は低評価と意見の割れたキムチの素と、安定のフルマーク7の割烹白だしが同点となりました。
また優勝候補と目されていたすき焼きのたれはイマイチ鶏肉には合わず得点が伸びませんでした。

第二グループ

① ヒガシマルのうどんスープの素
② 創味シャンタン
④ キッコーマンの本つゆ

第二グループも私が食べたい順というか美味しそうなラインナップをチョイスしました。

まずは関西では定番のヒガシマルのうどんスープの素!説明する必要は無いですね、美味いに決まってます。

次にこちらも優勝候補の一角、万能中華スープの素!創味シャンタン!

そして3つ目は第一グループの割烹白だしに対抗してキッコーマンの本つゆです。

間違いなく美味しいのは創味シャンタン、安定した和の味わいでいけば本つゆ、何にでも合う魔法の粉ヒガシマルが奇跡を起こすかという予想でしたが結果は以下の通りでした。

濃いだしの風味とまろやかな甘味で食べやすい本つゆが創味シャンタンを僅差でかわしトップに躍り出ました。
期待していたうどんスープは風味も味も少し薄かったので鶏肉には合いませんでした。

第三グループ

① まつやのとり野菜鍋用ピリ辛みそ
② ハナマルキの塩こうじ
③ ヤマサの「ご飯がススム」キムチ鍋つゆ

第三グループは少し味濃いめで御飯がススム系をチョイスしました。

まずはまつやのとり野菜鍋用のピリ辛みそ、普通にこのまま一口大に切って鶏鍋にしても美味いに決まっているのですが今回は低温調理です。

次にハナマルキの塩こうじ、これは家族からは一番「なにそれ」という反応だったのですが低温調理器をすすめてくれた学生の一押しだったのでチョイスしました。

そして3つ目は名前もそのままヤマサの「ご飯がススム」キムチ鍋つゆです。
このご飯がススムのキムチはよく買いうのですがキムチ鍋つゆは初めてだったので実力は未知数でした。

結果は以下の通りです。

塩こうじとご飯がススムが同点で首位となりました。
私と子供①は塩こうじに満点評価でしたが塩辛い味が苦手な妻と子供②はあまり評価が高くなく、ご飯がススムの方が辛さの中にも甘味とコクがあって好きだという評価でした。
ピリ辛みそは少し味がしみていないようでもう1日長く寝かせると昔の保存食のような味になって良かったかも知れません。

最終グループ

① エバラ焼き鳥のたれ
② ヱスビー食品のおでんの素
③ エバラプチッと鍋シリーズのとんこつ醤油鍋の素

最終第四グループはこちららも大本命、エバラの焼き鳥のたれ、当たり前ですが鶏肉に合うに決まってます。

次にヱスビー食品のおでんの素、こちらもおでんの素という名前ですが先のうどんスープ同様に色んな料理に使える万能出汁です。

そして最後はエバラプチッと鍋シリーズのとんこつ醤油鍋の素。
エバラプチッと鍋シリーズはだいたい何でも美味いのですが豚骨と鶏胸肉の相性が良いのか悪いのか知りたくて選びました。

結果は以下の通りです。

優勝候補大本命の焼き鳥のたれが僅かに塩こうじ・ご飯がススムに届かず3位となりました。

すき焼きのタレも同じでしたが一晩漬け置くだけでは味が十分にしみ込まず甘さだけが際立ってしまいました。
もう一晩漬け置くか胸肉に切れ目を入れて味がしみ込みやすくするなどの工夫が必要かと感じました。

とんこつ醤油は少し豚骨の風味と鶏胸肉が喧嘩しているように感じましたが、こちらももう少し時間をかけて味をしませるか切れ目を入れるなどしてとんこつ味をもっと強くしみ込ませれば良いかも知れません。

おでんの素は残念ながら塩っ気だけが鶏肉に入り肝心の出汁の味が肉に沁み込んでいませんでした。
うどんスープ同様に粉末状のものは合わないのかも知れません。

まとめ

最終順位の通り佐名木家のお勧めする味付けは「ハナマルキの塩こうじ」と「ヤマサのご飯がススムキムチ鍋つゆ」でした。
ただし他の味もやり方を変えれば十分美味しくなると思いますので今後も色々と試していこうと思います。

また低温調理した鶏胸肉は冷めても美味しいのでタッパーに入れて冷蔵庫で保存してご飯のおかずにしたりお弁当に入れても良いと思います。

ただし味付けが濃いと冷やすと少し塩っぱくなりますので中止してください。

あれこれ言いながら試食している最中にずっと頭を過っていたのは「俺がボディビルをしていた時にこれがあればもっと楽だったのに…」という思いでした。

私がボディビルをしていた頃、特に結婚するまでは、とにかく食べ物を自分で用意するのが一番大変な作業でした。
そして長期間にわたりメインの蛋白源となる鳥のささ身や胸肉をどうやって美味しく食べるかに悪戦苦闘する毎日でした。

最初はカレー粉をまぶしてみたり梅紫蘇を和えてみたりバンバンジー風にしてみたりと、何とか食事を楽しもうとするもののすぐにバリエーションも尽きてしまい最終的にはほぼ筋肉に栄養を送るための作業、つまり食事が餌化してしまっていました。

レンジでチンしただけのパサパサの鶏肉はダイエット終盤になるとなかなか喉を通らないので納豆を一緒に食べる事で納豆の滑りを利用して食道から胃へ流し込んでいました。

そんな昔の苦労を思えば今はなんて便利なものが簡単に手に入る世の中になったんだろうと思い、ボディビルやフィジークなど厳しいダイエットを必要とする競技には強い味方になると思いました。

私も最近太り過ぎなのでこれを機にダイエットしようと思います。
みなさんも是非低温調理器を使ってヘルシー鶏胸肉を美味しく食べて下さい。

文:佐名木宗貴

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連する記事