SBDコラムをご覧の皆様、福島未里です。
FTGYMにおきまして、SBDアスリートである鈴木佑輔選手のパーソナルイベントを開催いたしました。
今回は私も実際にパーソナルを受講し、大盛況に終わったイベントの様子をお届けいたします。
鈴木佑輔選手のパーソナルを受けてみたいと思っている方、企画したいと思っている方、ぜひご一読ください。
1.企画、告知
私がFTGYMで活動し始めて感じたのは情報の少なさです。
東京で生活していた頃は、自分で集めなくても勝手にさまざまな情報が入ってきました。
個人事業主として会社や団体に所属せず活動している今は、自分でアンテナを張っておかないと時代の波に取り残されていくような感覚になります。
また、電車に乗れば気軽に行くことができたジムは遠くなり、子どもがいると積極的に動くことができなくなりました。
いろいろと考えた結果、せっかくFTGYMという場所があるのだから、行くのではなく来てもらってもいいのではないか?という結論に至りました。
私も会いたい人に会うことができ、気になっていた物を知ることができる。
有料でのイベントを実施すれば講師の方の収入になる。
FTGYM会員にも還元することができて一石二鳥以上に。
ビジターでOKにすれば静岡県の競技力向上に繋がるはず。
と言うわけで、Strength Gym Tokyo Bayの渋谷優輝選手にはすでに2回来ていただき、マウスピースの製作会も行いました。
次に誰を呼ぶか検討している際に、同じ階級で戦っている夫の福島勇輝が佑輔さんとトレーニングしたいと前々から言っていたこともあり、打診させていただきました。
世界選手権直後にもかかわらず快諾していただき、イベントが実現することとなりました。
2.イベント告知
イベント告知をした際にはFTGYM会員はもちろん、外部の方からも問い合わせがありました。
渋谷さんの時もそうでしたが、やはり佑輔さんも大人気です。
今回はパワーリフターだけでなく、FTGYM所属のボディービルダーからも申し込みがありました。
ベンチプレス、パワーリフティング業界だけに留まらないほど、知名度が高いことがわかります。
パーソナルイベント枠は早々に満員になり、企画側としては一安心しました。
3.パーソナルを受けてみて
まず、「未里さんは動画とかを見ると…」と話し始めた佑輔さん。
もともとSNSでつながっていたこともあるとは思いますが、事前にチェックしていてくださったことに驚きました。
言われたのは「もっと脚が使える」とのこと。
個人的にはベンチプレッサーの端くれ、足を使う意識は今までもしてきたし、できていたつもりでした。
実際にシャフトを持ってフォームをチェック。
具体的なフォームの作り方に移ります。
お話を聞いていると、佑輔さんの中には理想のフォームに持っていくための多くのチェックポイントがあり、それを一つ一つ確認しながら作っているように思いました。
指導中は、まずこれ、その次にこれ、その次にこれ…と順序立てて説明してくれます。
つまずいたところで、それができるようになるためのアプローチ。
受ける側としては非常にわかりやすく、自分も指導する側として学ぶものが多くありました。
今回、私にすごく刺さった部分としては、下半身の使い方。
もっと脚が使えると言っていただいた通り、ポイントを意識しながらフォームを組んでいく過程でしっかりと脚に力が入っているなという感覚がありました。
今までもありましたが、より強い感覚です。
ベンチプレスという上半身の種目でも「脚で蹴る」というテクニックでより高重量を扱えるフォームになることは知られています。
いわゆるレッグドライブといわれるものです。
蹴ると簡単に言っても、今までただ床に脚をつけて行っていた方は特に、それをどうやって行うかわからないはずです。
その難しい動きを誰にでも再現できるように言語化してもらっているような感覚でした。
見た目上のやっていることは変わらないのに、ポイントを押さえるだけでこんなに変わってくるのだなと改めて感じました。
パワーリフターとしてもトレーナーとしても非常に有意義なパーソナルの時間でした。
初心者から上級者までどんな方でも新しい気付きが得られると思います。
冒頭、ボディービルダーも申し込んでくれたといいましたが、半分くらいポージングの話をしていたそうです。
機会があったらぜひ一度受けてみるのをお勧めします。
フォームを変える(意識を変える)ことは、体に定着するまで時間がかかります。
誰かのパーソナルトレーニングを受けたことがある人は共感してくれると思いますが、教えてもらった時はとても良かったのに、いざ一人でやってみたら、その時と同じ感覚を再現できない…なんてことがよくあるのではないでしょうか。
また、個人的な意見ですが、指導してもらったことを忠実に再現しようとした後は、自分がもともと作り上げたフォームの中にどう落とし込んでいくかが重要だと思っています。
人の骨格や筋肉の起始はすべて同じではありません。
学んだことを自分の中に落とし込んで、自分の形を作り上げていく作業をして初めて、指導してもらったことが生きてくるでしょう。
4. 合同練習
イベントは2日間にかけて行われましたが、2日目の午後は合同練習会を行いました。
FTGYM会員限定で行いましたが、トップ選手の練習が見られるということでたくさんの人が集まりました。
佑輔さんが持ち込み、パーソナルの際に使用した非常にしなるアースクウェイクバーで練習させてもらったり、元フルギアベンチプレスチャンピオンである夫が佑輔さんにフルギア指導をしたりと、普段のFTGYMとはまた違った雰囲気で皆さん楽しく練習されていました。
合同練習会の良さの一つに、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中で参加した人同士、気軽に質問し合えることがあると思います。
(練習会なので、お互いのトレーニングの邪魔をしてしまうのはよくないですが。)
雑談もしながら、どんな質問にも気軽に答えてくれる佑輔さん。
ベンチプレスが大好きで、それに関わる人々も大好きなのだろうなと感じました。
5.最後に
忙しい中で静岡まで足を運んでいただき、イベントを実施してくださった佑輔さんに感謝いたします。
イベントの開催は企画する自分にとっても非常に良い刺激となっています。
強くなりたいからこそ学びを求めますが、それだけでなく、こうして交流をすることで全国に仲間が増え、パワーリフティングの楽しさがまた増していくような気がします。
静岡という場所は、地方でありながらも東京から約1時間。
関東近辺に住む方々も呼びやすく、また今後も積極的にいろいろなイベントを開催していきたいと思います。
FTGYMでイベントを開催したい!という方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。
◆コラム執筆者
福島未里(ふくしまみさと)
静岡県富士市FTGYM所属
FTGYM(https://ft-gym.com/)
ベスト記録
パワーリフティング(ノーギア)
SQ145kg
BP113kg(一般女子57kg級日本記録)
DL165kg
TL423kg(一般女子57kg級日本記録)
2013年度
アジアベンチプレス選手権大会(フルギア) ジュニア57㎏級1位
2014年度
世界ベンチプレス選手権大会ジュニア57㎏級(フルギア)2位
2017年度
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 一般女子57㎏級1位
2018年度
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 一般女子57kg級1位
2019年度
世界ベンチプレス選手権大会 一般女子57kg級 5位
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会 一般女子57kg級1位
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 一般女子63kg級1位
2021年度
ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会 一般女子57kg級2位
2022年度
ジャパンクラシックパワーリフティング選手権大会一般女子57kg級1位
保有資格
日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー
NSCA公認CSCS
健康運動指導士
柔道整復師