今月19日~26日、今や参加者数で世界最大のパワーリフティング国際大会となった世界クラシックパワーリフティング選手権大会がアメリカで開催されます、年々増え続ける参加者に比例して大会のレベルも上昇しており、今年もアメリカ代表チームを中心に新たな注目選手が多数現れている事から見応えのある熱戦が繰り広げられると予想されています。
パワーリフティングの世界大会はGOODLIFTというサイトの中継ページで毎回中継されており、誰でも無料で観戦する事が出来ます。
パワーリフティングの観戦と言っても競技者以外の方にはピンと来ないかもしれません、しかしパワーリフティングはルールがシンプルでわかりやすく、400kgを超える迫力満点のスクワットや最終デッドリフトでの逆転試技の緊張感等、競技経験の無い方でも意外と楽しめるものです。
勿論事前知識無し見てもいいのですが、やはりある程度見所や選手を知っていると観戦をより楽しむ事が可能になるかと思います、今回の私のコラムではパワーリフティング観戦のすすめと致しまして、世界クラシックパワーリフティング選手権一般男子各階級の見所と主要選手の紹介をしてみたいと考えています。
パワーリフターの皆様は勿論、一般のトレーニーの方々にもこのコラムをきっかけにパワーリフティング観戦にチャレンジして頂ければ幸いです。
【大会概要】
2016年、世界クラシックパワーリフティング選手権大会
開催場所、アメリカ・テキサス州キリーン
開催期間、6月19日〜26日
中継ページ
(大会が近付けば最終エントリーやタイムテーブルもこのページに掲載されます)
エントリー
男子
女子
タイムテーブル
※日本とアメリカ・テキサス州の時差は-15時間のため、このタイムテーブルの時間に15時間を足したものが日本での時間になります。
※尚、このタイムテーブルは6月3日時点の仮のものです、大会が近付くと中継ページに最新のタイムテーブルが掲示されますので試聴の際はそちらをチェックしてみて下さい。
【男子59kg級】
男子最軽量級の59kg級はパワー界のレジェンド フェドシエンコ選手(ロシア)が絶対王者として君臨しており、今大会も見所はフェドシエンコ選手がどこまで記録を伸ばすのかという点でしょう。
フェドシエンコ選手の力が突出しており現在対抗となる選手はいませんが、2位以下はレオン選手(エクアドル)やウショラ選手(ポーランド)といった強豪達の力が拮抗しており激しい戦いとなりそうです。
日本から3年連続出場の蛯原選手は上位陣を崩せるか、私も日本から応援したいと思います。
注目選手紹介
セルゲイ・フェドシエンコ(Sergey Fedosienko)選手(ロシア)
ベスト記録670kg
2003年に世界大会初出場初優勝して以降、出場した14回の世界大会(フルギア10回、ノーギア3回、ワールドゲームズ1回)全てで優勝している軽量級無敵の王者、パワーリフティングの歴史の中でも最強の選手の1人で、今年のノーギアロシア選手権ではトータル670kg、ウィルクス・スコア(フォーミュラ)でも584.96というIPFノーギア史上最高の数値を記録しています。
動画、トータル670kg
ダリウス・ウショラ(Dariusz Wszola)選手(ポーランド)
ベスト記録573kg
ノーギア・フルギア・三種パワーリフティング・シングルベンチプレス問わずほぼ全ての国際大会に参加しているパワーリフティングファンにはお馴染みの選手。
世界大会では過去にフルギアで2度、ノーギアで1度の優勝経験有り。
動画、スクワット215kg
男子59kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月25日AM3時30分
【男子66kg級】
今大会非常に注目されるのがこの階級、昨年優勝争いを繰り広げたサヴォライネン選手(フィンランド)、シェー選手(台湾)、カシオーリ選手(カナダ)の3人に加え、今年はフルギア世界記録保持者のグラッドキーク選手(ロシア)とノーギア世界記録保持者のマクホーニー選手(アメリカ)が参戦、この5選手のベスト記録は646kg~655.5kgと10kg以内に固まっており誰が優勝するのか全く読めない階級となっています。
注目選手紹介
セルゲイ・グラッドキーク(Sergey Gladkikh)選手(ロシア)
ベスト記録655.5kg
世界クラシックに初参戦するフルギアパワー界の超大物、フルギア世界大会優勝3回、フルギアトータル世界記録(815kg)保持者。
動画、トータル655.5kg
キース・マクホーニー(Keith McHoney)選手(アメリカ)
ベスト記録655kg
通称”K-MAC”、ノーギアトータル世界記録(655kg)保持者、世界最高レベルのノーギア全米大会を連覇するも世界クラシック選手権は今回が初参戦。
動画、トータル655kg
アンティ・サヴォライネン(Antti Savolainen)選手(フィンランド)
ベスト記録650.5kg
ディフェンディングチャンピオン、昨年はデッドリフト世界記録278kgを成功させ台湾のシェー選手に競り勝っています。
動画、トータル650.5kg
シェー・ゾンティン(Hsieh Tsung-Ting 謝宗庭)選手(台湾)
ベスト記録650kg
過去にフルギア世界大会5連覇とワールドゲームズ優勝を経験しているアジアNo.1男子パワーリフター、台湾デッドと呼ばれる上体を立てた特徴的なフォームのデッドリフトが有名。
動画、トータル650kg
スティーブン・カシオーリ(Stephen Cascioli)選手(カナダ)
ベスト記録646kg
カナダの若手選手、得意のスクワットは世界記録を持っており、今大会でもダークホース的な存在。
動画、トータル646kg
男子66kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月25日AM3時30分
【男子74kg級】
この階級は三連覇中のグリンケヴィチ=サンドニック選手(ベラルーシ)が今年もエントリー1位、グリンケヴィチ=サンドニック選手は昨年12月に開催されたベラルーシ選手権に一階級上の83kg級で参加しトータル780kgという記録を残しており、この時の力をどれだけ残して74kgに落とせるのかが注目されます。
今回はエントリー記録でトータル700kgを超える選手が5人もいますが、その内3人が世界大会初出場と実力が未知数の選手が多く、特にカザフスタンの2選手はエントリー記録でグリンケヴィチ=サンドニック選手と互角であり、新たなスターが誕生する可能性もあります。
注目選手紹介
アレクサンダー・グリンケヴィチ=サンドニック(Alexander Grinkevich-Sudnik)選手(ベラルーシ)
ベスト記録712.5kg
飛び抜けて強い種目は無いものの弱点も無く安定感のある試合運びが特徴、過去最高レベルの激戦が予想される今大会を制する事が出来るか?
動画、トータル780kg(83kg級)
男子74kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月26日AM4時
【男子83kg級】
エントリー1位はSBDエリートの若きチャンピオン ギブス選手(ニュージーランド)、この一年も順調に記録を伸ばし続けており、昨年優勝争いを繰り広げたカスティーリョ選手(エクアドル)がドーピング違反により追放された事もあり今年の世界クラシックパワーリフティング選手権83kg級はギブス選手の一人舞台になるかと思われました。
ところがそこは次々と新しい力の台頭するノーギアパワーリフティング、今大会はハーク選手(アメリカ)という超新星が出現、ハーク選手はギブス選手より2歳年下で今年で23歳という若さですが唯一ギブス選手に対抗出来る力を持っています。
2人がそれぞれ動画サイトにアップしている練習のベスト重量は三種目全てでほぼ互角であり、中量級の未来を担う2人の戦いに世界中のパワーリフティングファンが注目しています。
注目選手紹介
ブレット・ギブス(Brett Gibbs)選手(ニュージーランド)
ベスト記録801kg
故郷ニュージーランドを離れカナダに移住してから初めての世界大会を迎えるギブス選手、練習環境が変わった事は特に問題にならなかったようで今年は得意のスクワットに加え3月のアーノルドクラシックでベンチプレスとデッドリフトの世界記録も樹立、万全の備えでハーク選手との初対決に挑みます。
動画、トータル801kg
ジョン・ハーク(John Haack)選手(アメリカ)
ベスト記録787.5kg
今大会最注目選手の1人、ギブス選手と比べ長身の体型ですがスクワットやベンチプレスも非常に強く、サブトータルで互角の数字を残せれば得意のデッドリフトでギブス選手を食う可能性は十分にあります。
動画、トータル787.5kg
ギブス選手のインスタグラムより、ファイティングポーズを取るギブス選手(左)とハーク選手(右)
男子83kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月26日AM8時
【男子93kg級】
93kg級は大会4連覇中のヴィエルズビツキ選手(ポーランド)と過去にフルギア世界選手権で4度の優勝をしているブラニー選手(ウクライナ)の戦いになると予想されます、この2選手は一昨年2014年の世界クラシックパワーリフティング選手権でも対決しており、この時はヴィエルズビツキ選手が逆転のデッドリフト372.5kgを成功させ喜びのあまり泣き崩れるという劇的な幕切れとなりました。
ヴィエルズビツキ選手が5連覇を決めるのか、ブラニー選手が一昨年の雪辱を果たすのか、はたまたこの二人を破る選手が現れるのか、非常に楽しみな階級です。
注目選手紹介
クシシュトフ・ヴィエルズビツキ(Krzysztof Wierzbicki)選手(ポーランド)
ベスト記録847.5kg
93kg級で体重の4倍のノーギアデッドリフトを成功させた現在唯一の選手、5月にアメリカで開催されたアーノルドクラシックプロデッドリフトコンテストでも優勝(体重94kgで395kgのフルギアデッドリフトに成功)しており、世界最強のデッドリフターの1人です。
動画、デッドリフト372.5kg
ミハイロ・ブラニー(Mikhaylo Bulanyy)選手(ウクライナ)
ベスト記録847.5kg
フルギアパワーではロシアと双璧をなすウクライナのトップ選手、スクワットとベンチプレスでどれだけヴィエルズビツキ選手を突き放せるかが勝負の鍵になりそうです。
動画、スクワット300kg
男子93kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月27日AM0時
【男子105kg級】
世界最激戦区である全米予選を勝ち上がったバークス選手(アメリカ)がエントリー1位、バークス選手は全米予選でトータル世界記録保持者ルイス・ブライス選手を破りアメリカ代表に選出されています、エントリー2位には昨年優勝のベルケジア選手(フランス)、更にその下にはデッドリフトを得意とするクラヴジック選手(カナダ)、ドーピングによる出場停止から復帰したクバンバエフ選手(カザフスタン)、台湾の22歳ヤン選手、SBDエリートのマヌエル選手といった強豪達が僅差で続きます。
昨年日本人二人目のノーギアトータル800kg超えを達成しメダルに肉薄した日本チームの大黒柱武田選手にも表彰台の期待がかかります。
注目選手紹介
イーライ・バークス(Eli Burks)選手(アメリカ)
ベスト記録850kg
ノーギアパワーリフティングの盛り上がりと共にアメリカから次々と現れる新たな強豪の一人、得意のデッドリフトでは世界記録(362.5kg)を保持。
動画、デッドリフト352.5kg
ソフィアン・ベルケジア(Sofiane Belkesir)選手(フランス)
ベスト記録827.5kg
長身で均整の取れた体型が印象的な選手、今年はバークス選手という強敵を迎えますが大会連覇なるのでしょうか。
動画、トータル827.5kg
ステファン・マニュエル(Stephen Manuel)選手(イギリス)
トレーニングビデオで季節性情動障害を告白し、3月のヨーロッパクラシック選手権では試合数日前に飲酒によるトラブルを起こし出場出来なくなるなど、メンタル面に問題を抱えるマニュエル選手、しかし彼の弱さや脆さを抱えながらチャンピオンを目指す姿にこそ共感を覚えるトレーニーも多いのではないでしょうか。
精神面での不安定さを乗り越え4年連続でのメダル獲得を目指します。
動画、120kg級でのトータル820kg
男子105kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月27日AM0時
【男子120kg級】
男子120kg級はSBDエリートのボアフィア選手(アルジェリア)と世界記録保持者コーネリアス選手(アメリカ)の一騎打ちになると予想されます、コーネリアス選手は世界大会初出場ながら今年3月のアーノルドクラシックではトータル971kgという世界記録を樹立、千人以上が出場した全米ノーギア選手権でもベストリフターを獲得するなど驚異的な強さを見せており、優勝候補筆頭と言えそうです。
最強のライバルを迎える事になった昨年優勝のボアフィア選手(アルジェリア)ですが、トレーニング動画からは調整が順調に進んでいる事を伺わせ、5月に出場した大会ではスクワット380kgベンチプレス220kgデッドリフト340kgトータル940kgと調整段階とは思えない素晴らしい記録を出しています、デッドリフトにかなりの余力を残している事を考えるとコーネリアス選手との差は殆ど無いのではないでしょうか。
注目選手紹介
デニス・コーネリアス(Dennis Cornelius)選手(アメリカ)
ベスト記録971kg
スクワット・ベンチプレス・トータルで世界記録を持つ全米MVPリフター、ボアフィア選手の連覇を阻むか。
動画、トータル971kg
モハメッド・ボアフィア(Mohamed Bouafia)選手(アルジェリア)
ベスト記録945kg
これまでで最も厳しい戦いが予想されるチャンピオン ボアフィア選手、過去最高の仕上がりで大会三連覇をかけてコーネリアス選手を迎え撃ちます。
動画、世界大会前の調整試合トータル940kg
男子120kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月27日AM4時
【男子120kg超級】
何と言ってもパワーリフティングの華はスーパーヘビー級、山のような大男達が桁外れの高重量を挙上する姿こそパワーリフティングの醍醐味と言えるかもしれません。
男子最重量級は大会二連覇中の怪物レイ・ウィリアムズ選手(アメリカ)が今年も優勝候補筆頭、最近は世界記録(426kg)を持つ得意のスクワットに加えてデッドリフトも世界記録を狙えるレベルまで伸ばしており他を寄せ付けない圧倒的な強さを誇ります、弱点があるとすれば試技の粗さ、特にスクワットのしゃがみで赤判定を受けることが多くその点の改善が世界三連覇の鍵となりそうです。
ウィリアムズ選手の対抗馬は昨年3位のブラントン選手(カナダ)と4位のウェパ選手(ナウル)、共に400kgを超えるスクワットを武器としています、エントリー2位のマーレキー選手(イラン)は昨年7位ながら今回エントリー記録1000kgと不気味な存在、この階級の台風の目となるかもしれません。
この階級は他にもオセアニアチャンピオンのキリサム選手(サモア)やヨーロッパ記録保持者クルーゼ選手(ラトビア)といった強豪揃いで、上位陣の平均レベルは全階級で最も高いと言えるかもしれません。
注目選手紹介
レイ・ウィリアムズ(Ray Williams)選手(アメリカ)
ベスト記録1012.5kg
お馴染みSBDエリート レイ・ウィリアムズ選手、最近のトレーニング動画ではスクワットのしゃがみの改善に取り組んでいる様子が伺えます、地元開催の世界大会で三連覇を決められるか?
動画、トータル1012.5kg
ケリー・ブラントン(Kelly Branton)選手(カナダ)
ベスト記録983.5kg
昨年初出場ながら大活躍したカナダの白熊ブラントン選手、打倒ウィリアムズ選手の一番手。
動画、スクワット410kg
ジェザ・ウェパ(Jezza Uepa)選手(ナウル)
ベスト記録978.5kg
人口一万人に対してパワーリフターが千人いるといわれる謎の国ナウル最強の男、南海の怪人ウェパ選手、ウィリアムズ選手に奪われたスクワット世界記録の奪還なるか?
動画、スクワット415kg
男子120kg超級の日本時間での試技開始予定時刻、6月27日AM7時30分
【女子47kg級】
絶対王者のチェン選手(台湾)がウェイトリフティングでのリオ五輪出場の為欠場しており、エントリー記録1位から5位までの選手が7.5kg差に集中する大混戦となっています。
試合は恐らくサブトータルで強いランタラ選手(フィンランド)を他の選手がデッドリフトで追う展開となるでしょう、デッドリフト最終試技では一試技毎に順位の入れ替わるようなスリリングな勝負が予想されます。
注目選手
ヘザー・コナー(Heather Conner)選手(アメリカ)
ベスト記録342.5kg
世界大会初出場ながらエントリー記録1位、デッドリフトを得意としておりインスタグラムで170kgを挙上する動画を公開しています。
動画、デッドリフト170kg
可児理恵選手(日本)
ベスト記録340kg
過去2度の準優勝を経験している日本女子チームのエース、5月の国体東海予選では自己ベストのトータル340kgを記録、4度目の世界挑戦で初優勝を狙います。
可児選手世界クラシックパワーリフティング選手権前のインタビューはこちら
女子47kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月24日PM23時
【女子52kg級】
昨年と同じくロフト選手(スウェーデン)とゴルベワ選手(ロシア)の優勝争いになりそうです。
注目はエントリー5位のナマニ選手(イギリス)、最近突如現れた選手でパワーリフティングの競技歴は短いようですが急激に記録を伸ばしており、特にデッドリフトでは飛び抜けた強さを見せています。
注目選手
ソフィア・ロフト(Sofia Loft)選手(スウェーデン)
ベスト記録412.5kg
少女のような外見とはアンバランスな強さが印象的な選手、三種目全て平均的に強く弱点の無さが特徴です。
動画、デッドリフト170kg
オルガ・ゴルベワ(Olga Golubeva)選手(ロシア)
ベスト記録410kg
46歳のベテラン選手、元々はフルギアベンチプレスを得意とする選手でしたが、ノーギアの隆盛と共に三種パワーリフティングでも頭角を現し世界クラシックでの戦績は優勝2回準優勝2回、ロシアを代表するノーギアパワーリフターの一人です。
フルギアベンチプレスも相変わらず強く今年5月のフルギア世界ベンチでは3位に入賞しています。
動画、47kg級でのベンチプレス91kg
ジョイ・ナマニ(Joy Nnamani)選手(イギリス)
ベスト記録377.5kg
非常に長い手足が特徴の選手、インスタグラムでスクワット140kg2回とデッドリフト190kgの動画を公開しており、影の優勝候補と言えます。
動画、デッドリフト190kg
女子52kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月24日PM23時
【女子57kg級】
スクワットの世界記録を持つティー選手(カナダ)がエントリー記録1位、ティー選手は昨年同階級で3位になっており、今大会では初優勝を狙います。
SBDエリートのインナ選手はロシア予選の時にまだ調整段階にあった為エントリー記録4位ですが、トレーニングビデオを見る限り
順調に仕上がっており優勝候補筆頭と言えるでしょう。
エントリー2位のモンセラーテ選手(エクアドル)は元々ジュニアの強豪で今回初めて一般部門での世界大会出場となります、若い力で金星をあげる事ができるでしょうか。
注目選手
マリア・ティー(Maria Htee)選手(カナダ)
ベスト記録435.5kg
アメリカと同様近年ノーギア部門で急速に勢力を伸ばしているカナダの代表選手、フィギュア部門のボディビルダーでもあり非常にバルキーな身体をしています。
動画、トータル435.5kg
インナ・フィリモノーヴァ(Inna Filimonova)選手(ロシア)
ベスト記録447.5kg
SBDエリートの一員であり女子57kg級世界記録保持者、ジュニア時代から世界で活躍しノーギアとフルギアの両方で何度も世界を制している大ベテラン、娘を持つ母親でもあります。
昨年の世界クラシック選手権の後ヘルニアの手術を受けましたがその後順調に回復しており、大会三連覇を狙います。
動画、トータル447.5kg
女子57kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月24日PM23時
【女子63kg級】
63kg級は今年も三連覇中のトンプソン選手(アメリカ)の独擅場になりそうです、飛び抜けたベンチプレスの強さで毎年危なげなく勝利するトンプソン選手、彼女を脅かす選手は出現するのでしょうか。
注目選手
ジェニファー・トンプソン(Jennifer Thompson)選手(アメリカ)
ベスト記録486kg
女子63kg級無敵のチャンピオン、代名詞であるベンチプレスは長身で尚且つストロークの長いフォームながら140kgを超える重量を挙上し、他の選手を全く寄せ付けません。
動画、ベンチプレス141kg
ジェニー・アドルフソン(Jenny Adolfsson)選手(スウェーデン)
ベスト記録450kg
ヨーロッパチャンピオン、世界クラシックでは現在二年連続準優勝中、今年こそトンプソン選手超えはなるでしょうか。
動画、スクワット152.5kg
マリア・ドゥベンスカヤ(Maria Dubenskaya)選手(ロシア)
ベスト記録437.5kg
昨年のフルギア世界パワー準優勝、フルギア世界ベンチ優勝とフルギアを代表する強豪選手。
トンプソン選手とのベンチプレス対決に注目が集まります。
動画、トータル437.5kg
女子63kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月25日AM8時
【女子72kg級】
エントリー1位はSBDエリート ウォルフォード選手、今大会も優勝候補筆頭である事は勿論、女子ベストリフターの最有力候補でもあります。
エントリー記録でウォルフォード選手に続くのがスティン選手(カナダ)とフォン・ワイセンベルグ選手(スウェーデン)、この2選手は共にスクワットを得意とし過去にお互いの世界記録を更新し合っている事から種目別のメダル争いにも注目が集まります。
注目選手
キンバリー・ウォルフォード(Kimberly Walford)選手(アメリカ)
ベスト記録540kg
女子最強のデッドリフター、今やノーギアパワーリフティングを代表する選手の一人。大会5連覇に向けて死角はありません。
動画、トータル540kg
イザベラ・フォン・ワイセンベルグ(Isabella von Weissenberg)選手(スウェーデン)
ベスト記録480kg
スクワット世界記録保持者、インスタグラムではスクワット170kg5レップの動画をアップしており、スクワット200kg超えの期待もかかります。
動画、スクワット170kg5レップ
女子72kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月25日AM8時
【女子84kg級】
ベテランのストリキ選手(オランダ)が4連覇中の階級ですが、今大会は72kg級の強豪中の強豪カステラン選手(ブラジル)が1階級上げての参戦、ストリキ選手がタイトルを守れるのか注目されます。
注目選手
イリヤ・ストリキ(Ielja Strik)選手(オランダ)
ベスト記録535kg
パワーリフティングとベンチプレスでこれまで獲得した世界タイトルは数知れず、昨年はIPF殿堂入りも果たした女子重量級の第一人者。
動画、トータル523.5kg
アナ・カステラン(Ana Castellain)選手(ブラジル)
ベスト記録517.5kg
フルギア世界大会(72kg級)とワールドゲームズで優勝を経験している南米を代表する強豪選手、ノーギアでの初タイトル獲得を目指します。
動画、72kg級でのスクワット190kg
女子84kg級の日本時間での試技開始予定時刻、6月26日AM0時
【女子84kg超級】
大会2連覇中のロォク選手(アメリカ)が今大会でもエントリー記録で2位の選手に100kg近い差をつけて圧倒的な首位に立っています。
激戦となりそうなのが2位争い、コステニューク選手(カナダ)、ス選手(台湾)、シタガタ選手(サモア)、ピーターソン選手(スウェーデン)の4選手による熾烈な表彰台争いが予想されます。
注目選手
ボニカ・ロォク(Bonica Lough)選手(アメリカ)
ベスト記録652.5kg
女子最重量級で向かうところ敵無しのロォク選手、63kg級トンプソン選手や72kg級ウォルフォード選手と共に最強アメリカ代表女子チームの中核をなしています。
得意のスクワットはベスト記録272.5kgと男子選手も顔負けの重量、まだ年齢も若くいずれ女子選手として前人未到のノーギアスクワット300kgに達する可能性すらありそうな選手です。
動画、スクワット272.5kg
マティラ・シタガタ(Matile Sitagata)選手(サモア)
ベスト記録522.5kg
デッドリフト世界記録保持者、近年ノーギアの舞台で台頭するポリネシア系パワーリフターの一人。
ジュニアでは同階級を2013年2014年と2連覇し、今年から一般部門での世界挑戦となります。
動画、デッドリフト240kg
女子84kg超級の日本時間での試技開始予定時刻、6月26日AM0時
※各選手のベスト記録や名前のカタカナ読みは筆者がネット等で調べたものです、誤り等ありましたら申し訳ありません。ご連絡頂ければ訂正致します。
※出場選手と試技開始時間は現時点のエントリーとタイムテーブルを元にしており、今後変更される可能性があります。
コラムニストやコラム内容についてのメッセージは下記のアドレスまでお送りください。
コラム用メールアドレス: column@sbdapparel.jp
※どのコラム宛かを明記してください。
※お送りいただいたメールの内容は、コラムで取り上げられる事があります。
■コラム執筆者
神野亮司
愛知県 MBC POWER所属 ( http://mbcpower.web.fc2.com/ )
ベスト記録(ノーギア)
・93kg級
スクワット240kg
ベンチプレス165kg
デッドリフト267.5kg
トータル662.5kg
・83kg級
スクワット212.5kg
ベンチプレス157.5kg
デッドリフト255kg
トータル612.5kg
実績
ジャパンクラシックパワー(旧ジャパンオープンパワー)出場10回、最高2位
2012年アジアクラシックパワー男子一般83kg級2位
2014年世界クラシックパワー男子一般83kg級11位